原材料高と過当競争、道路復旧への険しい道のり

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 被災地である仙台地区のアスファルト混合物価格は、ストアス高の影響で、リーマンショック直後の水準まで高騰(下上図)。一方で舗装工事の受注量は、業者数の減少も相まって漸減傾向にある(下図)。「2010年度の出荷は前期比1割減」(道路大手)と、売上高は目減りし、原価率は悪化するばかり。厳しい状況は11年度も続きそうで、“震災特需”と呼ぶには程遠い。

道路の舗装工事は、目玉の第二東名高速道路から地方発注の道路補修まで、相対的に単価が下がって採算割れの状況だ。大手は製造プラントを稼働させ、生産した混合物を自社で使うばかりでなく、中小地場の同業者などに外販することで、舗装事業の赤字を補填してきた。しかし1バレル100ドル以上で高止まりする原油高が続けば、燃料高に電力不足という不測の事態も加わり、大手すら営業赤字転落の危機に陥りかねない。体力の弱い工事会社は存続を断念し、廃業や譲渡の道を選択、業者数がさらに減る事態も想定される。




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