資生堂に売却された「TSUBAKI」「uno」意外な健闘 営業利益率は10%超、カネボウ元社長が舵取り役

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インバウンド最盛期、資生堂の生産体制において、日用品事業の優先度は低下していた。というのも、中・高価格帯化粧品が旅行客向けに好調な時は、原価率が日用品よりも低い化粧品を優先した方が収益性が高かったためだ。

化粧品の欠品を回避するために、日用品事業はかなり先まで生産スケジュールを事前に決めることを迫られた。すると消費者のニーズや競争相手は次々に変わっていき、商品開発は遅れていく。このときの反省を踏まえ、新体制では生産のリードタイムを短くし、需要変化の早い日用品事業に適した体制に変更していく方針を掲げる。

かつてカネボウは稼ぎ頭の化粧品を花王に譲渡し、残された日用品事業の再建で苦戦を強いられた。クラシエに社名変更したことで、カネボウの看板を失い知名度が低下してしまったことが響いた。

資生堂の看板なしに戦えるのか

ファイントゥデイも資生堂の看板を失ったが、小森社長は「幸い残っているのは百戦錬磨で生き残ってきたブランド。以前は大企業の信頼性など企業ブランドが重視されたが、現在は商品自体が注目される時代」と語る。

小森哲郎(こもり・てつお)マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、アスキー社長、ユニゾン・キャピタル、カネボウ社長、建デポ社長などを歴任。2021年7月より現職(記者撮影)

既存ブランドはドラッグストアで展開し、認知度もある。ただ日用品最大手の花王に加え、新興企業が台頭するなど競争環境は厳しい。そんな中でファイントゥデイが目指すのは、ニッチ市場での高単価商品の拡充だ。デオドラント市場で高シェアの「エージーデオ24」など特定領域に強みを見出している。

メンズ化粧品「uno」のブランドマネージャー、山﨑剛氏は「2019年に発売したunoの男性用BBクリームが、男性のメイク市場を作り、男性用ファンデーション市場でのシェアが今でも9割を超えている」と説明する。「コンセプト勝負で、お客さんの行動や認識を変えるような商品を作れるかどうかが要になる」(小森社長)と意気込む。

工場を自社で持つ場合、固定費負担のリスクも伴う。ヘアケアブランド「ボタニスト」で成功したI-neなどのファブレスメーカーが、低リスクでヒットを生み出す現状とは逆行している。

だが商品を作る際の原料の選定や、混ぜ方の工夫など細かなレシピ変更ができる体制を優先させた。現在は既存ブランドの新製品に注力しているが、ファイントゥデイとしての新ブランド立ち上げも検討中だ。

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