「整形したい」と部下に相談された50代上司の決断 20代の彼女はいったいなぜわざわざ話したのか?
悩んでも、悩んでも、答えが出てこない。
また、なぜ課長である私に相談したのかという点も、気になっている。
毎日顔を合わせるのだから、一言断っておこうと思ったのか。それとも人生の先輩としてアドバイスが欲しかったのか。
整形したらしばらく会社を休むことになるから、上司から了解を得たいと思ったからなのか。
それとも――。
社内で噂になったとき、
「上司から賛成されたので、私は整形しました」
と言いたいからなのか。もしそうだとしたら、正直なところ厄介だと思った。
「俺が反対したら整形は諦めるのか」と聞いたところ…
相談を受けた3日後、彼は部下と面談を試みた。どこまで立ち入ったことを聞いていいかわからなかったが、勇気を振り絞って
「親御さんに相談したのか?」
と尋ねた、すると驚くことに、
「母が勧めてきた」
と言うではないか。なおさら驚いた。整形費用も全額親が負担するという。
そこで、ストレートな質問をぶつけてみた。
「俺がやめたほうがいいと言ったら、整形を諦めるのか」
思い切って言った。すると、また意外な答えが返ってきた。
「もちろんです。上司ですから。お母さんも上司の意向に沿いなさいと言ってます」
「そうなの?」
彼は素っ頓狂な声を出した。「俺が反対したって、どうせやるんだろう」と思い込んでいたからだ。
だから決断した。
「せっかく親から授かった顔なんだから、大切にしたほうがいいと思うよ。営業力アップの方法はたくさんあるんだから、もっと別の手段で営業力を高めていこう。もちろん全力でサポートするから」
そう言った。われながら常識的な意見だと思った。が、彼女の反応が怖かった。
「そう言われても、すでに決めてます。お母さんも絶対やったほうがいいと言ってます」
このように反論されるかと思い込んでいた。ところが
「わかりました。課長が反対するなら、整形をやめます」
とすんなり引き下がったのである。彼女は拍子抜けするほどあっさり諦めた。
この一件以来、上司と部下との関係は改善した。彼女の反応も良くなった。まだ営業力の向上には結びついていないものの、整形に反対したことは正しかったのではないか。この上司はそう思い返す。
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