住友大阪セメントはグループの八戸工場で生産再開、先行きがれき処理の拠点活用の期待も【震災関連速報】
セメント業界3位の住友大阪セメントは、東日本大震災の影響で操業を停止していた連結子会社の八戸セメント(青森県八戸市大字新井田字下鷹待場)が近日中にほぼ全面復旧する見通しだ。
八戸セメントは4月13日に生産を再開した。港湾出荷設備の一部が復旧作業中のため18日時点での製品出荷は陸送のみとなっているが、近日中にはセメントタンカーによる出荷も再開できる見込みだ。
八戸セメントの年産能力はセメントの製造過程でできるクリンカーベースで約120万トン。住友大阪セメントグループの約1割を占める。ただ、復興によるセメント需要が現実に出た段階ではなく、東北地区の出荷は通常の半分程度という。
セメントは木くず、土など広範囲な廃棄物を原燃料としてリサイクルできるため、セメント生産がほぼ通常に復帰した八戸セメントは今後、地震、津波によって生まれた膨大ながれき処理の拠点として期待される。
だが、課題も多い。がれきのほとんどが海水にさらされたことから、塩分を多く含んでいるからだ。そのまま原燃料としてリサイクルすることは設備に与える影響や塩分除去に伴うコストの問題がある。
ただ、がれき処理の出口としてセメント工場を利用することは有効な手段だ。何らかの公的支援(がれき処理の補助金などが考えられる)があれば、八戸セメントや同社の栃木工場はがれき処理の拠点になりえる。
(内田 通夫 =東洋経済オンライン)
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