「送料無料」にトラック運転手がモヤる納得の理由 現場のルールは、現場を知らない人が作る
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危機せまる「2024年問題」、「送料無料」の実態、「トラガール」の違和感、「コロナ禍」の苦労、根深い「飲酒問題」など、まさに“モヤモヤ大渋滞”の物流業界。
本稿では、元トラックドライバーでライターの橋本愛喜さん著『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』より一部を抜粋。
「送料無料という表現に、現場のトラック運転手がモヤモヤする理由」について、解説したパートをご紹介します。
「送料無料」現役トラック運転手がモヤる理由
私にとって本書は、「第2子」になる。
第1子を刊行したのは2020年3月14日。そう、コロナの脅威がこれから広がるという時期だった。
執筆中は、書店で自分の本を手に取る人たちをこっそり観察するなどの妄想をエサに、晩年のリクガメ級に遅い筆をなんとか進めていたのだが、ついに迎えた発売日は、タイミングを図ったかのように世間が「せーの」で巣籠もりに。いつも応援してくれる読者各位に向けてサイン会とかしたいとも思っていたのだが、サイン会どころか、対面での著者インタビューや講演会もほぼ中止になっていた。
が、それでもいろんな人たちの尽力のおかげで、業界内外に注目してもらい、その子は大手ECサイトで長きにわたりベストセラーになった。
コロナ禍で外出自粛になっても書籍が売れるという意味では、ECサイトでの販売は非常にありがたかった。いや、コロナ禍だけではない。「闘病中で外出できない私でも、こうしてあなたの本を読めるのは、やはり物流を支えてくれる人たちのおかげ」という感想をもらうたび、ネット通販のありがたさを感じる。
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