貫地谷しほり「いい子にしてきた20代」への後悔 30代に入ってからの悩み、仕事や人生観の変化

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――女優歴は20年を超えました。経験を積んでいくなかで、女優としての意識や仕事への向き合い方の変化はありましたか?

10代から仕事をはじめて、20代のころまではとにかく仕事が第一でした。ハメを外して遊んで写真週刊誌に撮られたくないとか、そういうことのないように“いい子”にして生きてきた20代があって。

でも、30代に入るときに、私には何もないってすごく悩んだんです。年齢的に演じる役柄が変わってくる時期で、私は若いわけでもないし、何か特別な味があるわけでもない。演じるときに出せるものは、もうすべて出し切ってしまった気になっていたこともあります。

貫地谷しほり(撮影:梅谷秀司)HM:ICHIKI KITA(Permanent) STY:mick(Koa Hole inc.)

――その悩みの出口はどう見つけましたか?

仕事は私のすべてではないと考えました。そのときは、仕事がうまくいかなければ、私の存在には意味がないという方向に思考がいっていたんですけど、そうではないと思い直したんです。

お仕事は私にとってすごく大切なものですけど、私の魅力も含めて、私のすべてを占めるものではない。そう思えたらちょっと楽になりました。

若いころに仕事ばかりやってきてしまって、もっといろいろな挫折や苦労、楽しさとかを経験できたのに、それを選ばないで生きてきたことを悔やんでいたんです。そういう経験こそ仕事にも生きてくるのに、いま思うと人間としてのバランスが悪かった(笑)。

少しくらい道から外れてもいいからやんちゃしておけばよかったかなとも。いまからしようとは思わないですけど(笑)。でも、いろいろな経験はしたいです。先日、夫の出張についていって旅行したんですけど、こういうのもいいなあって思いました。

結婚から変わった優先順位

――2019年にご結婚されて、仕事観や人生観は変わりましたか?

結婚したことは、私自身にとって大きな出来事でした。結婚したことやコロナ禍を経たことで、私生活をもっと大事に生きてみたいと思うようになりました。私生活が充実していると、次の日の仕事のやる気にもつながります。

女優はそこで生きている人たちの暮らしや生活を演じるのに、それまでの私は忙しいのもあって、自分自身の生活が疎かだったんです。そこにコロナがあって、2カ月間撮影がまったくなくなって。毎日スーパーに行って、こんなに生活のことを考えて生きたのが初めてでした。何のために仕事をしているのかを改めて考えることができました。

そこから私生活と仕事のバランスが大事なことに気づけて、人として整った気がしました。やっぱり自分の人生あっての仕事であり遊び。自分にとって何が大事かという優先順位が30代になって変わりました。

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