貫地谷しほり「いい子にしてきた20代」への後悔 30代に入ってからの悩み、仕事や人生観の変化
自身の生活とも重ねて考えた介護
――『オレンジ・ランプ』は39歳で認知症と診断された主人公の実話をもとにした物語です。その妻であり2人の子どもの母親である真央役を演じられましたが、なぜいまこの作品に出演しようと思ったのでしょうか。
若年性認知症というと、私の世代だと『私の頭の中の消しゴム』(2004年/韓国)が印象に残っています。悲しいストーリーかと思って脚本を読んだら、すごく前向きな物語でした。同じ病気がテーマでも、こういうメッセージを伝えられるんだと思ったことが理由の1つです。
もう1つは、私自身も認知症を患う祖母を母が介護していて、近くにいる人の大変さや、つらいことが多いのを間近で見てきています。そういう人たちに、この物語を見て少しでも気が楽になってもらいたい。周りの人に頼っていいということも含めて、メッセージとして伝えられたらと考えて、出演させていただきました。
――本作に出演したことで、認知症への意識や向き合い方への変化はありましたか?
劇中の真央さんは、夫が認知症とわかってから大きな不安があっただろうし、いろいろな葛藤もあったはずなのに、とても前向きでいつでも明るい人です。これが実話だと思うと本当にすごい。改めて、寄り添う人の心構えのようなものを教えられた気がします。
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