貫地谷しほり「いい子にしてきた20代」への後悔 30代に入ってからの悩み、仕事や人生観の変化

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貫地谷しほり(撮影:梅谷秀司)
女優歴20年を超える貫地谷しほり。大河や朝ドラなどの経験も積み、役の幅も広がっている。そんな彼女は最新出演作『オレンジ・ランプ』(6月30日公開)で、若年性アルツハイマー型認知症を患う夫を力強く支えながら生きる、2人の娘を持つ母親役を演じた。私生活では自身も母とともに認知症の祖母に向き合っていることを明かした貫地谷しほりに、祖母の話や、いい子にしてきたという20代への後悔、30代での結婚を機に変化があったという仕事観と人生観について話を聞いた。

自身の生活とも重ねて考えた介護

――『オレンジ・ランプ』は39歳で認知症と診断された主人公の実話をもとにした物語です。その妻であり2人の子どもの母親である真央役を演じられましたが、なぜいまこの作品に出演しようと思ったのでしょうか。

若年性認知症というと、私の世代だと『私の頭の中の消しゴム』(2004年/韓国)が印象に残っています。悲しいストーリーかと思って脚本を読んだら、すごく前向きな物語でした。同じ病気がテーマでも、こういうメッセージを伝えられるんだと思ったことが理由の1つです。

もう1つは、私自身も認知症を患う祖母を母が介護していて、近くにいる人の大変さや、つらいことが多いのを間近で見てきています。そういう人たちに、この物語を見て少しでも気が楽になってもらいたい。周りの人に頼っていいということも含めて、メッセージとして伝えられたらと考えて、出演させていただきました。

――本作に出演したことで、認知症への意識や向き合い方への変化はありましたか?

劇中の真央さんは、夫が認知症とわかってから大きな不安があっただろうし、いろいろな葛藤もあったはずなのに、とても前向きでいつでも明るい人です。これが実話だと思うと本当にすごい。改めて、寄り添う人の心構えのようなものを教えられた気がします。

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