日経平均株価はどこまで下がったら買うべきか やっと来た本格的押し目、「3つの買いポイント」
では、今後の相場をどう考えればいいだろうか。先物に大量の売りが出たことで、日経平均は6月13日から維持していた3万3000円を割れた。だが、今回の下落はファンド筋などによる「先物の売り仕掛け」と思われる。
つまり、配当権利落ち日(29日)が近づいたことで、買い建てていた先物を、配当が現実化するときに解消する動き、またはその売りを見越した形での売りだ。「外国人投資家が従来の買いスタンス変えてきた」と決めつけることは早計ではないか。
しかもこうした行動は、ファンドが権利確定日をまたぐときに毎回繰り返す類いのものだ。また、先物から考えると売り要因となるが、現物側で考えると2023年3月期決算企業の配当金総額は過去最高の14兆円と推定されている。この半分以上が今回支払われることを考えると、先物の売りなど問題なく吸収されることになるとみる。
当面の「買いの基準」はいくらか
下落の分析の話が長くなったが、当面の日経平均はどうなるか。仮に26日の価格を23日と同じとして計算すると、上述の3つの基準に照らせば①25日移動平均線プラス1%なら3万2535円前後、②の25日移動平均線なら3万2213円前後となるが、②まで下がらずに12~13日に開いたマド(3万2638円~3万2517円)までで止まる可能性も十分ある。
もし、ここを突破されて本格的調整が入った場合は、③の75日移動平均線の2万9690円前後を買い場と考えるだけだ。この3万円割れの水準まで下がらなくても、今年の「サマーラリー(夏の株高)」が不発で「夏枯れ相場」が訪れたとしても、買い方投資家には強い武器がある。
つまり、好配当利回りでかつ低PBR(株価純資産倍率)である銘柄を、余裕を持って保有して、乗り切ればいいだけだ。「30年の眠りから覚めた今回の相場は、1年や2年では終わらない」との考えは変わらない。
さて、最後に今週の材料だが、週間予定表を見渡して目につくのがIPO(新規株式公開)の多さだ。毎日途切れず11社となっている。そのほか、27日の日本の1~3月期資金循環統計は筆者が重要視している指標だ。
同日はアメリカの5月耐久財受注や、4月FHFA(連邦住宅金融庁)住宅価格指数などの住宅関連指数、さらには6月コンファレンスボードの消費者信頼感指数と、同国の景気指数が盛りだくさんだ。
また29日の同国の1~3月期GDP確報値や、30日の中国6月製造業・非製造業PMI(購買担当者景気指数)、アメリカ5月個人所得・個人消費支出(PCE)が重要だ。とくにPCEは、「今後のデータ次第」との発言を繰り返すジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長がどう判断するか、要注目である。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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