文部科学省が、福島第一原発事故による海水の放射能汚染シミュレーション第二報を発表

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文部科学省が、福島第一原発事故による海水の放射能汚染シミュレーション第二報を発表

文部科学省は、16日、福島第一原発事故による海水の放射能汚染のシミュレーションの第二報を発表した(→こちら)。12日に発表した第一報以降の新しいデータをシミュレーションに織り込んでいる。

広範囲を予測したJCOPE2(図1)と、これをもとにより高精度で予測したJCOPET(図2)がある。海面上での拡散を予測し、海水中の下層への拡散は考慮していない。

JCOPE2(図1)によると、福島第一原発から放出された汚染水は、拡散しながら5月上旬まで宮城県北部沿岸まで北上、その後、さらに沖合に移動しながら複雑に拡散する見通し。5月末には、半減期の短いヨウ素131は0.4ベクレル/リットル(原発排水濃度限度の100分の1)以下となり、半減期が長いセシウム137も9ベクレル/リットル(同10分の1以下)に薄まる。

沿岸部をより高精度で予測したJCOPET(図2)では、4月20日に掛けて南寄りに沖合へ拡散している。

福島第一原発では、炉心や使用済み核燃料に水を掛け流しにしながら何とか冷却を続けている状態。2号機取水口近くから海へ高濃度汚染水が大量に流出するという事態は止められた。しかし、1~4号機はいずれも破損、冷却によって依然として高濃度の汚染水が敷地内や地下にあふれ出していることは確実。汚染水対策は極めて重要な課題だ。

■図1 数値海況予測システムJCOPE2のシミュレーション結果


■図2 JCOPETのシミュレーション結果(JCOPE2とは縮尺が大きく異なることに注意)


出所:文部科学省
写真提供:東京電力

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