ルネサスは生産能力を85%まで回復、那珂工場はなお7月再開が目標、6月再開報道には困惑の様子【震災関連速報】

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ルネサスは生産能力を85%まで回復、那珂工場はなお7月再開が目標、6月再開報道には困惑の様子【震災関連速報】

生産を停止している那珂工場(茨城県ひたちなか市)の再開を6月に前倒しすると一部で報じられたルネサスエレクトロニクス。だが、具体的な再開時期は、まったく未定のようだ。

同社は那珂工場について従来から「7月中に一部限定で生産再開を目指す」としており、現時点でも、この目標に変化はないという。もちろん、「再開を一日でも前倒しできるよう努力はしている」(同社広報課)とのことで、これが「6月再開」との解釈につながったようだ。

とはいえ、「7月から一部再開」とした当初の目標にしても、それが上旬なのか、下旬になるのかすら、まるで明示できていないのが実情。一部で稼働を再開できた場合の復旧レベルがどの程度になるのかも、まだ不透明な状況にある。同社関係者は「6月再開の報道には違和感を感じる」と、困惑気味の様子だ。「仮に6月に再開を前倒しするにしても、具体的にどの水準で再開できるのか、そこまでお伝えできなければ、とてもお客様(納入先)には納得してもらえない」(同関係者)。

問題の那珂工場には、西日本地区にある同社の工場のほか、納入先の自動車メーカー、部品メーカーから合計で1000人以上が支援に駆け付けており、まさに人海戦術で復旧作業が行われている。4月10日にはクリーンルームの一部が稼働を再開し、同ルーム内にある設備の点検、修復作業が行える状況になった。

全社的には、高崎工場(群馬県高崎市)、甲府工場(山梨県甲斐市)が完全復旧。4月7日の余震でいったん生産を停止した津軽工場(青森県五所川原市)、鶴岡工場(山形県鶴岡市)も生産を再開しており、震災後に半減した生産能力は85%までの復旧にメドがついている。

残る15%は那珂工場だが、仮に那珂工場の復旧が前倒しできたとしても、シリコンウエハなどの部材調達や電力面で不安を抱える。自動車生産のボトルネック解消は、すんなりとは進みそうにない。
(長谷川 高宏 =東洋経済オンライン)
写真:ルネサス那珂工場・被災前 出所:ルネサスエレクトロニクス

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