新幹線運休で「引退相撲」逃したファンに届いたDM チケット購入でも来場できなかった人に対応検討

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最後の土俵入りを披露した鶴竜親方。後方左は露払い正代(写真:日刊スポーツ)

6月3日は、好角家の思いが交錯する日だった。鶴竜親方(元横綱)の引退相撲が、両国国技館で行われた。台風2号の影響による前夜からの大雨で、東海道新幹線は始発から運休。引退相撲のチケットを確保しながらも、来場できなかったり、遅れて到着する人たちが少なくなかった。

新幹線が出発したのは午後2時過ぎ

愛知県在住のMさんもその1人。2日夜から在来線が止まっていた。3日午前7時3分名古屋発「のぞみ204号」のチケットを持っていたが、始発から動かない。午前5時半からチケットサイトで必死に振り替え、午後1時台発の席を確保した。大混雑の名古屋駅で午前10時から待った。引退相撲は午前11時に取組が始まり、断髪式をはさんで午後4時ごろには終わる。正午過ぎに新幹線が動き出し、Mさんが乗った東京行きは午後2時過ぎに出発した。

東京近郊に住む友人と2人で西のマス席を買っていた。乗車中はずっとツイッターを見ていた。「最後のあいさつに間に合えばいいかな…」。スマホの画面から会場の華やかな様子が伝わってくる。焦りはあったが「鶴竜親方の晴れの舞台ですから、行かないという選択肢はありませんでした」。通路にも人がぎっしり。乗車率200%の中、JR品川駅で降り、両国駅に着いた時は、午後4時27分。駅から走った。

すれ違うのは、帰路に就く人たち。会場入り口でチケットを出すと、こう言われた。「すべて終わりましたが、入りますか?」。友人は待ってくれていた。西のマス席に座って、写真を撮った。土俵には誰もいなかった。何も考えられず、涙も出なかった。

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