新幹線運休で「引退相撲」逃したファンに届いたDM チケット購入でも来場できなかった人に対応検討

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国技館の滞在時間は約10分。少しだけ雰囲気を味わった。「周りの皆さんが温かい笑顔ばかりで、ほがらかな雰囲気でした。あたたかいお式だったんだなと分かりました」。パンフレットだけ購入し、会場を後にした。

やりきれない気持ちを写真とともにツイートし、日帰りで帰宅すると涙が出た。

ツイートは、思わぬ反響があった。多くの人たちが、なぐさめてくれた。

鶴竜親方から届いたツイッターのDM

翌日、スマホを見て驚いた。鶴竜親方からツイッターのダイレクトメッセージ(DM)が届いていた。親方からの私信だから一字一句は明かしたくないが、こういう状況にもかかわらず来場してくれたことへのお礼が書かれていたという。

Mさんは、こう振り返る。「あの時の悲しい気持ちは、これですっかり浄化されました。心に残る貴重な体験になりました」。

鶴竜親方にも、思いを聞いた。

「そういうツイートがあったことを、たまたま見ました。多くの人がリツイートしていて…。せっかくチケットを買ってくれたのに何も見られなかったというので、メッセージを贈りました。そういう方がほかにもいたと思いますが、すべては読み切れていないんですよ」

鶴竜親方は今も、チケットを購入しながら来場できなかった人たちのことを気に掛けている。「何か対応を考えています。例えば、チケットを持って部屋に来てくれれば、何かプレゼントしたい。手形も記念で作ってありますので」。保証する義務はないが、気持ちがにじみでた。

Mさんにはあらためて、鶴竜親方の魅力を聞いた。「やっぱり、温かさを感じますね。解説を聞いていても、力士たちへの愛情を感じます」。

あの日、国技館で一目も見られなかったが、鶴竜親方の優しさに触れられた。

(佐々木一郎)

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