しまむら「20代客」を1年で急増させた改革の中身 売り場の"聖域"が消えてバイヤーに起きた変化
しまむらの商売を見つめ直した
――業績が低迷していた2020年2月、しまむらの社長に就任しました。どう立て直しを図りましたか。
私が社長に就任する直前の2018年2月期から2020年2月期まで、当社は3期連続の減収減益となった。私が経営を引き継いだ際もコロナ禍でタイミングは悪かったが、それを契機に私たちの商売を見つめ直すことができたと思う。
まずは、しまむらの「原理原則」を徹底するため、中興の祖である藤原秀次郎相談役に取締役へ復帰(2020年5月)してもらった。私たちの商売の原理原則とは、突き詰めれば「お客様の要望を掴む」こと。しまむらは、ひとえに商品力でここまで成長してきた会社だ。
――「商品力」というと。
商品政策の第1の柱はプライベートブランド。しまむら事業では「CLOSSHI(クロッシー)」というベーシック衣料や寝具などを展開するブランドがあるが、これをお客様が要望する形に近づくよう、サプライヤーと一緒に作り込んだ。
第2の柱は、しまむららしいトレンド衣料の部分。お客様を飽きさせない、バラエティーに富んだ商品を作るため、サプライヤーとの共同開発ブランドを強化している。このブランド群も過去は改廃を頻繁に行っていたが、それぞれコンセプトを確立して育てる方針に転換した。
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