名古屋鉄道、「オリジナル土産物店」実現の舞台裏 地元メーカーとコラボ、3カ月で3割を入れ替え

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「香る うなぎ茶漬け」(2食入り、4800円)。うなぎは蒸さずに焼く名古屋ならではの地焼き。皮はパリッと、身はふんわりしている(写真:名鉄商店)

「ひつまぶしの〆はお茶漬けですが、実際にはお茶ではなく、だし汁をかけますよね。炭火で焼き上げたうなぎと香り豊かなお茶を組み合わせたら、間違いなく美味しくなると思ったんです。お茶はほうじ煎茶を使っていますが、ここに辿り着くまでにいろんな種類の茶葉やブレンドを試しました」(棚橋さん)

名古屋にはひつまぶしのお土産が数多くあるが、言われてみればたしかにすべてだし汁を添えて売られている。しかし、ひつまぶしの発祥は諸説あるようだが、もともとはお茶をかける形で始まったそうだ。「香る うなぎ茶漬け」は原点を感じさせる商品とも言える。

アイデアを具現化する苦労

オープン当初から品切れになるほど人気なのが、名鉄百貨店の広報部員の枠を飛び越えて名古屋のシンボルとなった「ナナちゃん人形」を模した冷凍グミ「FROZEN NANA CHAN」。

これは県営名古屋空港の近くにある「秀清堂」という和菓子店とのコラボ商品。県営名古屋空港を発着する飛行機の形をしたくず餅アイスを作っていて、ナナちゃん人形ができないかと思ったのがきっかけだった。

ナナちゃん人形は百貨店にとって欠かせないスタイル抜群のマネキン。しかし、リアルな形に近づけるのは難しく、試作品はやや太めのぽっちゃり型になってしまった。試行錯誤を重ねてようやく本物に近いスタイルになった。

当初はくず餅で作っていたが、客からの要望でグミに仕様を変更した「FROZEN NANA CHAN」(1箱1個入り、500円)。白やピンク、緑、黄など7色を用意(写真:名鉄商店)

ところが、同じ名鉄のグループ会社であっても、ナナちゃんを使用するには百貨店が定めた諸々の規定をクリアする必要があり、許可が下りるまでには時間を要した。

「商品アイデアを考えることも大変ですが、アイデアを具現化することはそれ以上に大変でした。関係者が増えるとそれだけ規制も多くなって。何とか権利関係をクリアして、販売にこぎつけました。おかげさまで店でも指折りのヒット商品となり、現在はくず餅アイスから冷凍グミへと進化しました」(棚橋さん)

名鉄をイメージさせる商品はほかにも、特急「パノラマsuper」の形をした化粧箱に入ったグルテンフリーのバウムクーヘン「PANORAMA BAUM」(3000円)もあり、こちらは鉄道ファンや子供に大人気とか。

次ページ素朴でほんのり甘い煎餅「クリセン」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事