名古屋鉄道、「オリジナル土産物店」実現の舞台裏 地元メーカーとコラボ、3カ月で3割を入れ替え
名古屋市中村区にある1938年創業のフジタセイカは、栗の形をした昔ながらの素朴でほんのり甘い煎餅「クリセン」が看板商品だった。しかし、購買層の多くは高齢者で年を追うごとに売り上げは減少。社長も80代となり、会社を自分の代で閉めようと考えていた。そんなときにパティシエ修業をしていた孫が後を継ぐ決意をした。その頃に名鉄商店との縁が生まれたという。
名鉄電車に乗って出かけたくなる
「新たな名物となるような新商品の試作を重ねたのですが、やはりクリセンが本当に美味しいと思ったんです。最終的に従来どおりのクリセンを新しい見せ方で販売しようということになりました。個包装せず、透明の袋にラベルを貼っただけのパッケージから懐かしさの中に親しみを持ってもらえるような可愛らしいデザインに刷新しました、今では人気上位の商品です」(棚橋さん)
百貨店も駅や空港、SAの売店も商品を販売する場所を貸す大家であり、商品を製造するメーカーや店は店子である。ゆえに資本力のあるメーカーでなければ参入することが難しい。が、名鉄商店の場合は、驚くことにすべての商品を買い取っているという。リスクが少ないからこそ、小さな町にある店でも参入することができるのだ。もちろん、名鉄商店のコンセプトと合致する良質かつ尖った商品を開発する力が必要ではあるが。
「だから私たちも必死で売らなければなりません。名鉄商店の実店舗のほか、ECサイトでも販売していますし、一部の商品は期間限定販売などの形で弊社が運営しているファミリーマートや名鉄グループが手がける高速のSAなどにも販路を広げていきます。それと、ずっと同じ商品が並んでいてもお客様は飽きてしまいますから、3カ月で3割程度の商品入れ替えを目標として、つねに商品開発も進め、売場の鮮度を保っています」(棚橋さん)
不思議なことに、名鉄商店のプロデュースによって生まれた商品を製造した店にも行ってみたくなる。その際、名鉄電車に乗って出かけるというのも名鉄商店の戦略なのだろうか。
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