前原誠司氏「安全保障で政界再編は起こりうる」 憲法改正は「第9条」問題を優先事項にすべき

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塩田:以前、インタビューで、前原さんは「一緒の党にならなくてもいいから、政党同士の緩やかな連携を」という話をされましたが、日本の安全保障や防衛政策を方向づけていくような一つの緩やかな固まりをどうやって作っていけばいいのか。安全保障問題が導火線となって政界再編とか政党再結集といった新しい動きが生まれる可能性はありますか。

自民党が割れて本当の政界再編へ

前原:可能性はあると思うんですね。国会の憲法審査会では、維新、国民民主、衆議院会派・有志の会が連携をしながらやっています。立憲民主党にも憲法改正が必要だと思っている人たちもいる。改憲の議論が具体的に進めば、ひょっとすると、連立の組み替えのような議論が自民党の中で起きるかもしれない。

自民党が割れて初めて本当の政界再編が起きるのでは。そのためには中道・保守の改革勢力がもっと大きくならなければならない。その中核になるのは、今は維新ですよ。どう連携を強めていくかが、憲法改正を近づける意味においても、政治的なインパクトは非常に大きいと私は思いますね。

塩田:国民民主党は今後、足並みの乱れとか、空中分解とか、その心配ありませんか。

前原:政策面ではないですよ。だけど、自民党と組みたいと言う人もいるし、私のように野党が結集すべきだというところもある。空中分解はしないと思いますけど、野党共闘路線で行くのか、あるいは自民にすり寄ってでも連立に入るということを考えるのか、路線はやはり明確にしなければいけない時期に来ていると思いますね。

塩田:一方で、立憲民主党と維新が昨秋の臨時国会から国会共闘に踏み出し、その後、結局、空中分解に終わりそうな情勢ですが、この動きはどう見ていますか。

前原:私は薩長同盟すべきだということで、あれを進めていたんです。まあ、選挙が近いと意識すると、どうしてもお互いがこぶしを上げなければいけない。総選挙はいつあるかわかりませんが、年内にあるでしょう。その後がポイントだと思いますね。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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