大平洋金属は八戸の本社工場が6月中旬再開へ【震災関連速報】
ステンレス原料のフェロニッケル国内最大手の大平洋金属は、本社工場(八戸市河原木字遠山新田)で津波による冠水などの影響を受け操業停止しているが、すでに清掃が完了し、6月にも生産再開の見込みとするなど操業再開のメドが立ってきた。
震災後に同工場を襲った津波で、敷地の一部が冠水するなどで、操業再開の見通しが立たなかった同社だが、12日までに流入物の除去清掃を完了。損傷状況の確認も進み、電気炉、キルンなどの主要設備の損傷はなかった。ただ付帯設備の機械などで交換の必要があったが、これも急ぎ対応を進めており、3基ある電気炉のうち2基は5月中旬に通電、6月中旬には生産を再開、7月には製品出荷も再開させる予定だ。残り1基については、6~11月に改修の予定だったため、再稼働はせず、このまま前倒しで改修に入る。
ニッケルなど主原料在庫への津波被害はなかったが、製品在庫は津波による一部冠水がみられ、塩水をかぶっただけでなく、へどろなども混じっており、出荷可能なものについて調査している状況だ。また、製品の入出荷に使う自社の港湾施設は、損傷がみられ、復旧作業中。公共のものが使えるかどうかも検討中だ。また、鉱石の搬入用の港湾施設については、復旧が進み、すでにこの11日から鉱石荷揚げを再開している。
国内最大で同社唯一のフェロニッケル工場の長期操業停止は、大幅な減収減益要因。さらに、設備の損壊も多く、除却損などの特損も大きく膨らみそう。前期だけでなく、今後の通電段階で判明する設備の損傷もありそうで特損は今期にも乗ってくる可能性もある。ただ、現状では、具体的な被害額など出されていないため、「東洋経済オンライン」は、予想の修正を控える。遅くとも、同社が決算発表を予定する5月10日までには、具体的な影響が判明することになる。
(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)
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