ネパール大地震、早期警報システムの課題 持つ国と持たざる国がある

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ヘルウェグ氏は同様のシステムがネパールにあれば、カトマンズ市民は恐らく15─20秒前に警報を受けることができただろうと指摘。それくらいの時間があれば、テーブルの下に隠れたり、倒壊しそうな建物から避難することも十分可能だったかもしれない。

しかし、こうしたシステムは決して安くはない。USGSの昨年の試算によれば、米西海岸全域をカバーする早期警報システムに要する設備投資コストは計3830万ドル(約45億6000万円)。そのほか、維持費や運営費が年間1610万ドルかかるという。

交通機関と連動

サンフランシスコの公営鉄道(BART)は2012年からシェイクアラートとの連動を開始。マグニチュードM4.0もしくは5.0の地震が起きる前には警報を受けた列車が自動的に減速し、脱線による被害を阻止するようになっている。

とはいえ、同システムも完璧とは言えない。震源地がサンフランシスコ湾岸地区だった場合、初期微動(P波)と主要動(S波)がほぼ同時に到達するため、BARTに警報は届かない。

一方、日本の全国瞬時警報システム(Jアラート)では、連動する機関がさらに広範囲に及ぶ。2007年にスタートした同システムは、大規模な自然災害などの際には緊急情報を住民や地方自治体に瞬時に伝達する。

新幹線や原子炉や工場なども同システムと連動しており、2011年の東日本大震災発生時には自動的に運転を停止。携帯電話への緊急速報は子供たちに避難するよう促した。

バークレー地震研究所のリチャード・アレン氏は、最近の会議で同システムが「数千人の命」を救ったと語った。

(Sharon Begley記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)

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