ネパール大地震、早期警報システムの課題 持つ国と持たざる国がある
[ニューヨーク 26日 ロイター] - ネパールで25日に発生したマグニチュード(M)7.9の大地震。最も地震活動が活発な地域に位置する同国の地震記録は少なくとも13世紀にさかのぼり、約75年周期で大地震が発生している。
しかし、現在まで共通しているのは、活断層上に暮らす同国の住民にとって、いつ地震が起きるのか知る由もないということだ。
米カリフォルニア大学バークレー校にあるバークレー地震研究所の地震学者ペギー・ヘルウェグ氏は、調査に何十年を費やした後でも「地震を予測する力はわれわれにはまだない」と指摘する。
ネパールの首都カトマンズ周辺地域では、1934年と88年に大きな被害をもたらした地震が発生。今月に入り専門家がカトマンズで集まったときには、全員が次の大地震は恐らく数十年先だろうと予測していた。
数日や数週間レベルの予測はまだ遠い話だが、早期地震警報システムは進歩を遂げており、生存を左右する貴重な数秒を確保することが可能となっている。しかし、同システムは持つ国と持たざる国に分かれているのが現状だ。
早期警戒システムがある国はわずか
ヘルウェグ氏によれば、早期警報システムがあるのは世界でメキシコ、日本、米国など地震多発国のほんの一握り。同システムは地震発生の直前に警報を発することが可能だという。
最新システムの1つに、米地質調査所(USGS)がカリフォルニア大学バークレー校などと一緒に開発したシェイクアラートがある。同システムは2014年にナパ郡で起きた地震の際には、サンフランシスコ湾岸地区に5─10秒前に警報を発した。