「不動産」を甘く見る人が知らない一番のリスク レッド吉田の投資を専門家が採点「まさかの0点!?」
玉川:戸建てや一棟買いの場合は、同じような条件の更地の相場を調べ、そこに自分が新築の建物を建てた場合の費用を計算して、比較してみるのが一つの方法です。中古物件なら利回りを見てみることですね。周辺の同じような物件の賃貸料を調べてみます。
あとは、一般の人がマンションや戸建てを買うのと同じです。情報誌や情報サイトで、100件ぐらい比較検討してみると、相場観はわかるようになります。
おっしゃるとおり、千葉や埼玉など微妙なエリアはプロ向きです。どこでも優良物件の都心と違って、同じ千葉でも地区により差が大きいからです。私も、千葉のこのエリアなら需要リスクがあるのかないのか、高いのか安いのかって、よくわかりません。
金融緩和前の不動産が安い時期であれば、池袋とか新宿とか、人がたくさんいる場所から買っていけばよかったのでシンプルでしたが、今は、都心は高騰し、手ごろな物件は郊外になっていますから、難易度は上がっています。目利きが必要です。ですから、地元とか、住んだことがあるなど、土地勘がある場所で始めるのがよいと思います。
いちばんのリスクは「無知」
レッド:不動産投資を始めるための目安とか条件のようなことはありますか。年収とか、貯金とか。
玉川:よく聞かれますが、最低限の諸経費でも数百万円は必要ですから、年収1000万円、預貯金1000万円ぐらいが目安と答えることにしています。
レッド:投資回収のスパンはどれくらいと考えればいいですか。5年後にいくら儲かるとか、考えるんですか。
玉川:いくら儲かるという発想ではなく、投資額が年間何%で運用できるかという観点で考えたほうがよいと思います。その辺りは株式投資と同じですね。
例えば、10年後も物件価格は変わらないという前提で、その中で自己資金がどのくらい効率的に運用できているかは必ず計算します。不動産投資では、お金を借りれば借りるほど、利益は大きくなります。利回りと融資の利率を考えたときに、利息が安い間はそのほうが得だという発想です。家賃が売り上げで、金利が必要経費と言ってもよいかもしれません。
レッド:優良物件はずっと持ち続けるんですか。
玉川:相場より高く買いたいという人がいれば、いつでも売ります。今売るのと、5年後に相場で売るのとどちらが有利かという計算はしますが、相場より高く買いたいのには、学校の敷地を広げるのに隣接地を買いたいなど、高く買う理由があるので、相場よりかなりの高額で売れるんです。
レッド:これだけは気を付けておきたい、ということを教えてください。
玉川:いちばんのリスクは無知であることです。収益計算ができないとか、不動産収入の税率を知らないとか、そういう基本的な知識なしで始めると、不動産は投資額が大きいので大怪我をするリスクがあります。
ちょうど今、金利を上げるか、維持するかの議論があると思いますが、もし、金利が今より1%上がると収益はどうなるのかとか、1000万円で購入した物件が5年後に500万円に下がった場合、借金はいくら残ってしまうのかといった最悪の場合を想定して、それでも破綻しない範囲で投資することを心掛けてください。
レッド:勉強になりました。ありがとうございました。
(構成:岩本宣明)
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