「不動産」を甘く見る人が知らない一番のリスク レッド吉田の投資を専門家が採点「まさかの0点!?」

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レッド:キワモンですか。

玉川:キワモノは悪いばかりではなく、それを評価してくれる買い手がつけばプラスになることもあります。が、売却するときにいくらで売れるかわからないというギャンブル性は残ってしまいます。ですから、私は基本的にはやりません。が、利回り12%なら、ギャンブル性の部分で減点しても、80点は取れます。

(撮影:佐々木仁)

レッド:高得点じゃないですか。

玉川:最初から、再建築不可であることや、シェアハウスのリスクも計算し、将来の売却を前提に、売値は少し下がっても十分な収益を得られると確信して投資されているなら、100点です。

レッド:いや、そんなことは全然、計算に入っていませんでした。

玉川:つまり、そこもちゃんと計算しましょう、ってことです。考えてほしいのは、リスクまでとって投資する価値があるか、ということです。例えば、経費などを差し引いて、10年で投資額の2500万円が回収できて、2500万円で売れたとすると、10年で2倍ですから、複利7%です。

もし、2000万円でしか売れなかったら、10年で2500万円が4500万円ですから複利は6%です。同じ2500万円を投資するなら、もっといい物件があるかもしれません。マイナス20点は、そこまで考えて投資していなかったことによる減点です。

川崎大師の物件は何点?

レッド:なるほど。もっと、いろいろ勉強しないといけませんね。川崎大師のマンションは何点もらえますか。

不動産投資家の玉川陽介さん(撮影:佐々木仁)

玉川:1000万円の物件を不動産屋さんと折半して購入して投資額は500万円、家賃8万円も折半で年間50万弱ですから、表面利回りが10%ほどですね。それだけ聞くと100点満点といいたいところですが、50点ぐらいですね。長期的にみると、シェアハウスの場合と同じで、最後にいくらで売れるかを考慮しなければいけないのと、500万円の投資の資金効率を検証する必要があります。

まず、売却リスクですが、築45年ですと旧耐震基準の建物で基本的にはローンは借りられませんから、買い手を探すのが難しくなる危険性があります。

次に資金効率です。利回り10%と聞くとよさそうですが、500万円の10%は年収50万円にすぎません。もし、少ない元手でより大きな物件を買うことができれば、無理して高利回り物件を選ばずとも50万円を超える収益を得ることはできるでしょう。

同じ500万円を元手にするなら、500万円で買える物件と、500万円を頭金にしてローンを組んで手に入れられる物件で、どちらが有利かを検討してみるべきです。不動産では借り入れによるレバレッジ効果を使いこなすことが重要です。

例えば、500万円の頭金で2500万円のローンを組んで、利回り5%が期待できる3000万円の物件を購入した場合と、どちらが儲かるのかを計算してみるということです。金利2%でローンが組めるとすると、3000万円の物件のほうがはるかに多くの利益を得られます。そして、その物件の売却リスクが小さければ、計算通りに収益を得られる安全な投資となります。

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