三井化学が市原工場の自家発電設備を活用し、7月にも東電に電力供給開始へ【震災関連速報】
三井化学は11日、市原工場(千葉県市原市千種海岸)の自家発電設備で発電する電力の一部を、東京電力に供給する方向で検討していることを明らかにした。
14万キロワット(kw)の発電能力のうち、1万kW程度の電力を7月にも東電に向けて売電する。大口需要家へのピーク時電力削減を求める電力制限令が発動される見込みとなるなど、東電管内では電力不足が深刻化しており、それを少しでも緩和するのが目的だ。
東電への電力供給は、三井化学側から申し出たという。具体的な方策については、今後詰めるが、これまで東電への売電実績がないため、設備面での整備が必要となる。三井化学の市原工場は6月ごろに定期修理を予定しており、その時期に合わせて設備対応を進めるとみられる。
市原工場は、ナフサ(粗製ガソリン)を原料に石化製品の基礎原料となるエチレンやプロピレン、B−B留分などを生産している。これらの基礎原料が、コンビナート内の化成品メーカーに渡り、合成樹脂や合成ゴム、合成繊維原料、界面活性剤などの石油化学誘導品となる。
石油化学コンビナートは定期修理の時期を除いて、24時間稼働が原則のため、おおむね自家発電設備を有している。三井化学の市原工場では、今夏のピーク時に東電からの電力供給量を制限されても、自家発電で賄えるため、操業には影響は出ない見込みだ。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
(写真は市原工場、三井化学HPより)
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