ニトリは似鳥昭雄会長自ら積極的にメディア出演するなど、「広報巧者」としても知られる。TBS『がっちりマンデー!!』に出演した際には、似鳥会長が「数字のない会話は遊び」という名言を残すほど、数値管理にもこだわっている会社でもある。
ニトリホールディングスのサイトには、理念として「『ロマン』を原点に、『ビジョン』の実現をめざし続けます」と掲げてある。
「ロマン」とは「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」こと、「ビジョン」とは「2032年 3,000店舗 売上高3兆円」を達成することだという。対外的な「旗」にもなる理念で、「感情」と「数値」を均等に配していることがわかる。一方のオーケーは「理」が勝ちすぎて、ニトリで言う「ロマン(=情)」が見えないのだ。
「次のステージ」に挑むにあたって広報力が試される
古くは「西武百貨店の神戸からの撤退」、あるいは「JR大阪三越伊勢丹の4年での閉店」などを見るまでもなく、「東京発というブランド力」だけで関西進出を成功させることはまず不可能だ。
今回、日本を代表する超一等地・銀座に旗艦店を構えるオーケーが、関西進出という「次のステージ」に挑むにあたり、新たな「ロマン」を打ち出すのか。あるいはこれまで通り「安売りの求道者」としての道を極めていくのか。
広報力という観点ではかなり不安の残る船出になりそうだが、前述した通り、オーケーが2024年に関西初出店を予定している街は、大阪の東大阪。庶民的な風土で知られる場所であり、相性は悪くはなさそうにも思える。また、昨今の物価高は、安さを武器とする同社にとっては追い風だろう。
安売り、品質、そして業界最高水準の利益率という一見相反する要素を両立させてきた業界の風雲児だけに、注目していきたい。
(※)編注:「PR TIMES」と微妙にタイトルが違い、公式サイトに掲載されたリリースには「オーケー、」の文字はなし。
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