広報上手な会社なら、銀座への出店をどう宣伝するか。比較対象としてあげたいのは、2022年4月に銀座進出を果たした、「ワークマン」だ。
プレスリリースのタイトルからして挑戦的だ。わざわざ競合であるユニクロとGUの名前を挙げている。「ライバル対決」はメディアが最も好む企画のひとつだ。「ワークマン」はメディア露出を最大化するため、あえてライバルの名を冒頭に掲げたのだろう。
また、タイトルだけではなく、本文にも「ワークマンの長年の『悲願』であった銀座進出が実現します。」といった、広報上、巧みな言葉が散りばめられている。銀座進出を「悲願」と言い切るところなど、メディアが好きな「ツボ」をよく心得ているものだと感心する。「悲願の銀座進出」となれば、視聴者・読者の注意を引く原稿に仕立てやすいからだ。
その他にも「銀座店の家賃はこれまでで一番高いですが、それでも対売上家賃負担率は4%(銀座以外は3%が目標)程度に収まりそうです。銀座店の売上は全店トップも狙えるため、1年目から大幅な黒字になりそうです」といったかなり具体的な内容まで公開。膨大な情報量で、メディアが思わず取材したくなる工夫が施されている。
こうやってワークマンと比較してみると、いかにオーケーの広報が「もったいない」ものだったか、「メディア露出の機会を自分たちの手で失っている可能性が高いか」が、よくわかるはずだ。
オーケーの「数字重視の社風」は独特だ
そんな広報下手なオーケーだが、本稿を執筆するにあたり、発信されてきた情報をひと通り調べてみたのだが、なかなか「アクの強い社風」であることがうかがえた。
オーケーのサイト自体は、ディスカウントストアに相応しく、無駄を廃したシンプルなものだ。店舗の地図などの基本情報が中心で、大企業のサイトにありがちな「かっこいい写真」などは一切ない。そして、経営方針の「高品質・Everyday Low Price」を随所に打ち出している。
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