オーケー、銀座出店の「宣伝戦略」が超残念だった 関西進出を前に、広報力に不安が残る現実

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そんなシンプル極まりないサイトなのだが、経営目標や人事的な取り組みに関しては、突出した量の情報を公開している。なかでも印象的なのが「数値目標に対する厳しさ」だ。

(画像:オーケー公式ホームページより)

例えば経営目標は「借入無しで年率 20%成長を達成すること」。目標だけではなく、達成に向けた過去の経緯まで、実に細かく記載している。あるいは「特別賞与」の項目からも、厳格な成果主義の実態が垣間見える。

オーケーでは、数値責任者に対し四半期(13週)毎に業績に応じ特別賞与が支給されます。
数値責任者とは、社員区分(正社員・パートナー社員)にかかわらず下記の役職者をいいます。店舗勤務者では店長・部門チーフ、本部勤務者では部門バイヤー・営業各部門統括責任者等。
数値責任者ごとに日別・週別、13週、52週の予算が作成されています。予算の売上に対して、『来週の水曜日は売上が不足しそうだ。何とか対策を立てなければ』というように、前もって対策が立てられるようになっています。

そして極め付きは「10%ルール」だ。「現在は実施しておりません」と注釈が付いているものの、「勤め人」にとってはなかなか刺激的な内容ではないか。

営業部門の各職種ごとに、評価順位で、下位10%の人を自動的に配置転換する仕組みを2003年3月から実施しております。店長では店長の10%が降格になり、1年間勉強して出直すことになります。

とにかく、オーケーのサイトは「カネと数字の話」がほとんどなのだ。

「カネの話」にも広報的観点が欠かせない

改めて言うまでもないが、「カネと数字」は経営において最重要である。しかし、私の専門である広報戦略という観点から見ると、「対外的にどこまで言うべきか」という「匙加減」が大いに問題となってくる。というのも、「カネと数字の話」は投資家の判断を左右するには有効だろうが、多くの消費者、あるいは就職先を探す若い世代の心を動かすものではないからだ。

ここでオーケー同様、「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで価格を訴求し、35期連続で増収増益を達成してきたニトリホールディングスを見てみたい。

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