中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は5月24日、2023年1~3月期の決算を発表した。同四半期の売上高は594億7700万元(約1兆1683億円)と、前年同期比18.9%減少。その一方、(一時損益などを除いた)調整後純利益は32億3300万元(約635億円)と同13.1%の増益を確保し、4四半期続いた減益に歯止めをかけた。
「スマホ市場の世界的な低迷の影響で、1〜3月期の売上高は減少を余儀なくされた。しかし、製品ラインナップの見直しを通じて粗利率を改善したほか、コストダウンや業務効率化の成果が表れ始めている」。シャオミの総裁(社長に相当)を務める盧偉冰氏は、決算説明会でそう述べた。
世界のスマホメーカーのランキング(出荷台数ベース)で、シャオミは首位のサムスン電子、第2位のアップルに次ぐ第3位につける。市場調査会社のカナリスのデータによれば、シャオミの1〜3月期の出荷台数は前年同期比21.1%減の3040万台、グローバル市場でのシェアは約11%だった。
半導体の独自開発を継続
決算報告書によれば、シャオミの1〜3月期の粗利益率は11.2%と、前年同期比1.3ポイント上昇した。「ハイエンド機種の販売比率を高めたことによるプロダクト・ミックスの最適化と、(半導体不足の解消による)コア部品の購買コストの低下が効いた」。同社CFO(最高財務責任者)の林世偉氏は、背景をそう説明した。
中国のスマホ業界では5月中旬、シャオミのライバルの1社であるOPPO(オッポ)が、半導体の独自開発の継続を断念。2000人を超える開発チームの解雇に踏み切り、大きな波紋を呼んだ。
決算説明会でOPPOの決断について質問を受けた盧総裁は、半導体開発の難しさを率直に認め、「(OPPOの)果敢な挑戦に敬意を表する」と述べるとともに、シャオミの方針を次のように語った。
「わが社は半導体の独自開発への投資をゆるぎなく続ける。とはいえ、その難しさ、時間軸の長さ、複雑さを十分自覚しており、一足飛びの成功は追求しない。必要なのは持久戦を覚悟し、長期にわたって取り組む決意だ。短距離レースの走り方でマラソンに挑んではならない」
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は5月24日
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