東大生実践「自信のなさ」を克服する納得の勉強法 地道に「思いだけで走り続ける姿勢」の重要性

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この「思いだけで走り続ける姿勢」は勉強内容や勉強時間にも表れていました。みなさんは「量より質」という言葉を耳にしたことはありませんか。効率よく勉強に励んだり、短い時間で集中力や吸収力高く勉強したりすることは確かにとても効果的で大切だと思います。

ですが、当時の私には「質のいい勉強」がどんな勉強なのかわかりませんでした。そこで「量で質をカバーする」勉強法を選んだのです。

まずは毎日本屋さんに入り浸り、「勉強法」の「勉強」を始めました。その後、各科目の参考書をひたすら見比べ、「どの本が一番基礎の部分を説明してくれているだろう?」「今の自分でも理解できる本はどれだろう?」「問題数は多いほうがいいかな」など、いろいろと考えながら、「お気に入りの1冊」を見つけます。

その後、ひたすら何周も解いていくのです。どの問題集も最低10周、多いものでは50周していました。それでも間違える問題がいくつもあるので、それらはノートに書き写して貯めておき、模試の前などに何度も解いていました。

「毎日コツコツ続けたらきっと……」

ここまでの話からもお伝えできているかもしれませんが、私は要領よく器用に物事をこなすことがとても苦手です。誰かが3回でできるようになることは、数十回練習しないとできるようになりません。そのため、東大には1日6時間前後の勉強で合格した人もいるなか、私は3年間毎日1日14時間、多いときでは16時間の勉強をしていました。

それでも勉強時間が足りなくて、1分1秒でも勉強時間を増やしたくて、家中の壁や扉に張り紙をしたり、全身に油性ペンで単語を書いたりしていました。二の腕から爪まで単語を書いていたので、道ゆく人とすれ違うたびに二度見されることも少なくありません……。

本当なら、もっと要領のいい勉強法があるはずです。ですが、今振り返ると、高校時代の私は天野くんと同じように、目の前の勉強に、1日1日の勉強に、今できる一生懸命に特化することで精一杯だったのだと思います。

「合格できるかな……」と思い悩むのではなく、「毎日コツコツ続けたらきっと……」と信じる力をエネルギーに変えて走っていました。

天野くんは、漫画の中でこんなせりふを話しています。

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