ホンダの伊東社長が震災後初めて会見「2~3カ月でフル生産に戻したい」【震災関連速報】
ホンダは8日、伊東孝紳社長(=写真=)が東日本大震災後初めて会見に応じ、最も被害の大きかった栃木の4輪開発拠点(本田技術研究所 4輪R&Dセンター、栃木県芳賀郡芳賀町大字下高根沢)を報道陣に公開した。
主なやり取りは以下の通り。
--4輪開発拠点の復旧状況は?
震災から2日後に栃木に来たが、被害は予想以上に大きかった。天井の落下や壁の崩れが激しく、復旧させるのは並大抵ではないと感じた。
しかし、工場など他事業所にサテライトオフィスを設け、設計・開発用の通信ネットワークインフラを整備するなどして、3月28日から開発業務を開始した。復旧のスピードに私自身が驚いている。今後リカバーすることで、今期の新車は予定通り投入していきたい。
--11日から国内全工場が再稼動するが、生産の正常化はいつか。
部品調達の問題や取引先の体力を考慮し、しばらく5割程度の操業を見込んでいる。2~3カ月でフル生産できるようにしたい。電子部品など調達の難しい部品はあるが、(取引先から操業停止が長期化するという)正式見解が出ているわけではない。当社としても取引先をしっかりサポートしていく。
--今後の海外生産の水準は?
日本が5割程度ということだから、基本的には海外拠点もそれと同じ水準と考えてもらっていい。今後の回復ペースについては具体的に言えるレベルではなく、一日も早く回復させるとしかいえない。
--収益への影響をどう考えているか
少なからずマイナス方向に影響する。ただ現状では具体的な額を言える状況ではない。
--政府は今夏の電力消費量25%カットを求めている。
まだ個別のプランは持っていないが、国全体としての削減目標を与えられれば、しっかりと対応していく。自動車の場合、組み立て工程は操業の自由度が比較的高いが、熱処理を伴う工程では連続操業が必要になる。日本自動車工業会でも現在議論しているが、スムーズに輪番操業できる形態があればいい。ただ前提として、個別企業の自由な活動を守る必要がある。
--電力不足が生産に与える影響は?
電力の25%削減となると、生産台数に影響が出る懸念はある。
--今後、サプライチェーン(部品の供給網)を見直す必要はあるか。
自動車のサプライチェーンは非常に強固なもので、今でも決して分断されているわけではない。確かに一部の部品についてはある企業に集中しすぎているという課題はある。長期的には見直す必要があるかもしれないが、今は1日も早い復旧が何よりも大事だ。
(並木 厚憲 =東洋経済オンライン)
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