自動車業界は、部品調達網寸断が東日本大震災復旧の足かせ

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東日本大震災が発生して1カ月。被災した工場からも徐々に復旧の報が届き始めました。
 
 トヨタ自動車も国内15の完成車工場が徐々に操業を再開していますが、震災前の水準に戻るにはかなりの時間がかかりそうです。というのも、自動車は1台に2万点超の部品が使われており、1点でも部品が調達できなければ完成車が生産できないからです。

自動車の部品調達先は複雑に絡み合っています。たとえば合成ゴム大手のJSRが鹿島工場(茨城県神栖市)で生産する自動車の窓枠やベルト類に使うエチレンプロピレンゴムは、4月中旬で供給停止となるおそれがあります。原料調達先である三菱化学の鹿島事業所が少なくとも5月下旬まで操業を再開できないためです。

同様に三菱化学から原料供給を受ける自動車に使われる素材を生産するメーカーは5社以上あり、ほかにも各種の部材供給に懸念が残ります。

自動車制御用マイコンで世界シェア約4割のルネサスエレクトロニクスも、大きな打撃を受けました。自動車用マイコンを中心とする那珂工場(茨城県ひたちなか市)は、7月まで生産が再開できない見通しです。

自動車産業の裾野は広く、多くの産業がかかわっています。2012年3月期決算会社の第1四半期(4~6月)の業績は7月から8月にかけて発表されますが、かなり厳しい結果になるのは間違いありません。
(「会社四季報」編集部 写真と本文は関係ありません)

※この記事は朝日新聞毎週月曜夕刊掲載の「東洋経済の眼」を東洋経済オンラインの読者向けに再編集したものです。

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