カワサキ「新型エリミネーター」400ccで復活の訳 アメリカンバイク・ブームを作った名車が蘇る

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ホンダのスティード
エリミネーターとともに国産アメリカンバイクのブームを作ったホンダのスティード(写真:本田技研工業)

国内で、とくに高い人気を誇ったのが400ccや250ccのモデル群だ。前述のとおり、1990年代に巻き起こった国産アメリカンバイク・ブームの立役者となった。当時は、ホンダ「スティード」やヤマハ「ビラーゴ」、スズキ「イントルーダー」など、各メーカーが250ccや400ccのアメリカンバイクを数多くリリースし、いずれも好調なセールスを記録。それらのなかでエリミネーターは、750cc版などと同様の「ドラッガー」と呼ばれるスタイルを採用。のちに、ヤマハ「ドラッグスター」やスズキ「デスペラード」など、多くの追従モデルが出現するほどの人気を誇った。

ちなみに、ドラッガースタイルのバイクとは、アメリカで人気のドラッグレースで活躍するレーシングマシン、「ドラッガー」を彷彿とさせるフォルムを持つアメリカンモデルのことだ。低くて長いフォルム、いわゆるロー&ロングと呼ばれるスタイルに特徴がある。直線コースを停車状態から発進し、ゴールまでの時間を競うドラッグレースでは、空気抵抗を低減するために車高を低くし、直進安定性を向上させるために車体を長く設計していた。そんなレーサーさながらのインパクト満点のスタイルが、若者を中心に多くの支持を獲得した。

また、当時、比較的取得しやすかった自動二輪中型限定免許(いわゆる中免、現在の普通二輪免許)でも運転できる400cc以下のモデルだったことで、初心者のエントリーモデルとしても高い人気を誇った。

新型エリミネーターの特徴

リアビュー
新型エリミネーターのリアビュー(筆者撮影)

そんな名車の車名を継承したのが、今回の新型エリミネーターだ。カウルレスのスタンダード仕様と、フロントカウル付きのSEをラインナップすることも、往年のモデルと同様だ。

フォルムには、燃料タンクからテール部にかけて水平基調のデザインを採用する。実際に間近で見てみると、往年のモデルたちがワイルドなテイストを持っていたのに対し、新型はややマイルドになった印象。どちらかといえば、ロードスポーツモデルに近い感じだが、伝統のロー&ロング・フォルムはしっかりと継承している。

ボディサイズは全長‪2250mm×全幅785mm×全高1100~1140mmで、‬ホイールベース‪1520mm‬。やや大柄な車体により、400ccクラスとしてはかなりの迫力を感じる。しかも、‪車両重量が176~178kg‬と軽量。おそらく初心者などにも比較的扱いやすく、駐車場などで押し歩く際なども取りまわしはしやすいことがうかがえる。

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