ベネッセも参戦、「エドテック」は花開くか 大資本からベンチャーまでプレーヤーが乱立

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NTTナレッジ・スクウェアの場合、受講者の意欲が高まった段階でオフラインでの交流機会を設け、参加費を得ようと試みている。シェアウィズは2014年10月に有料の教材販売サイトを立ち上げたほか、今年3月に人材サービス会社のエン・ジャパンと資本業務提携を締結。中小企業向けのオンライン研修サービスを立ち上げる計画だ。

こうした中にあって、マネタイズで一歩先んじているのが、リクルート出身の森健志郎氏が2011年に設立したスクーである。授業の生放送は誰でも無料で視聴できるが、録画放送は1カ月に1授業まで。これが月額980円を払うことで、無制限で録画授業を見ることができる。デザイン系の授業だと、受講者の20%以上が有料会員だ。

一方、経路がオンラインだけだと、適した分野はITや語学に限られてしまうとの見方もある。そうしたエドテックの限界に挑戦するのが、ストリートアカデミー(2012年設立)の藤本崇CEOだ。

同社は講師と受講者のマッチングサイトに特化。講座は外部から募るオフラインのもので、講座の開催が決まった段階で授業料の5~15%がサイト使用料として会社に入る。ヨガや包丁の研ぎ方といったオンラインだけでは教えにくい“習い事”を主軸に据えたことで、マネタイズでも一定の成果を上げている。

リクルートは慎重姿勢

大小さまざまなプレーヤーが乱立している国内の社会人向けエドテック市場。ただ、そこに一定の距離を置く大資本もある。リクルートだ。同社は2011年スタートの高校生向け「受験サプリ」を皮切りに、今年3月に立ち上げた小中学生向け「勉強サプリ」など、五つのオンライン教育サービスを展開している。が、当面は、小中・高校生向けの2つのサービスに特化する。

「オンラインのサービスは永続性が重要。学校教育ならコンテンツの見直し頻度は低いが、社会人向け、特にIT系だと、半年で時代遅れになってしまう。われわれの経済合理性では難しい」(リクルートマーケティングパートナーズの山口文洋社長)

現在は「市場の取り合いのフェーズではなく、一緒にフロンティアを開拓する段階」(スクーの森社長)。シェアウィズの辻川社長は「今、勉強サプリを使っている層が大人になる頃が、本当の勝負時」と見る。はたして10年後、どの企業が生き残っているか。

「週刊東洋経済」2015年4月25日号<20日発売>「核心リポート05」を転載)

猪澤 顕明 東洋経済 記者

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いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、民放テレビ局の記者を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年に国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。2024年から「東洋経済オンライン」の有料会員ページを担当。

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