「日本版ムーク」が秘める巨大インパクト

産学連携で進む新たな教育事業とは?

慶応大学のキャンパス内で撮影に臨む村井学部長(左)

3月中旬の週末、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスで、ある授業の撮影が行われていた。学内にあるサーバールームを背景に、講師を務めたのは環境情報学部の村井純・学部長。日本で「インターネット」という言葉を広め、普及に努めた第一人者だ。この日はインターネットについてプラットフォームとしてのあり方や世界における広がりをテーマに、撮影は深夜まで続いた。

4月14日から日本版ムーク(Massive Open Online Courses、通称MOOC)が始動する。ムークとは、大規模公開オンライン授業という意味。これまでもインターネットを活用したeラーニングはあったが、ムークは大学の授業を誰でも無料で受けられ、一定の成績を修めた受講者には授業を提供する有名大学の修了証を発行するといった点に特徴がある。慶応大学での撮影も、日本版ムークに授業を提供するためのものだ。

本場・米国では急成長

ムークは、2003年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)がインターネット上で授業内容やシラバスを公開した「オープンコースウェア」をきっかけに始まったとされる。爆発的に広まったのは、2012年にスタンフォード大学の教授が中心となって設立した「コーセラ」が普及してからだ。

コーセラは現在600万人以上の会員を抱える、世界最大のムーク。コーセラには、スタンフォード大以外にコロンビア大学、プリンストン大学、東京大学も授業を提供している。世界最高水準の大学の授業が無料で受けられるとあって、受講者が殺到。さらに有名大学の出す修了証が就職活動に役立つとされ、会員数は急激に拡大した。

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