無名の日本人映画監督が世界進出をかなえた秘訣 100以上の海外映画祭に出品、「サードドア」発見
『12ヶ月のカイ』はその後、イギリスの映画祭SCI-FI-LONDONにもノミネートされました。これを機会に私の映画を知ってほしいと、先ほどお話ししたように、映画会社に対して何百通とコールドメールを送りつけました。
するとなんとその中の1社から「映画製作のために、日本人の監督を探しています」という返信があったのです。
最初は、半信半疑でオンラインのミーティングに参加したのですが、話は進み、現在はそのロンドンの映画会社の方々と、国際共同制作という形で映画の企画を行い、脚本を書いている段階です。
世界の映画祭に応募する方法を公開
まさかイギリスからそんな話が舞い込むとは思ってもいませんでしたから、本当に驚きました。
私が想定していたのは、まずは作品を見ていただき、それが良かったという話になって、そこから「一緒にやりませんか」というステップにつながるだろうという流れでした。
それが、ノミネートされた段階でお声がかかったので、まさかこんなことがあるのかと驚きました。
海外の映画祭に応募するやり方は、ほとんどの人が知りません。私は、何百もの映画祭に応募されてきた先輩からお話をうかがい、教えていただきましたが、知っていても他の人には共有しない人が多いですし、映画学校でも教えてくれません。
私は、『世界で戦うフィルムたち』を通して、今回の過程をオープンソースにしました。ぜひ真似をしてみてほしいと思っています。どうして、みんな今までこれをやらなかったんだろうという思いもあります。
この十数年で、世界の映画祭に応募しやすくなる仕組みやアプリができ、インディペンデント作品を作る私たちが日常的に使えるようにもなったタイミングでもあります。
私自身、まだ道半ばの状況ですし、ドアを開けてはいません。でも、ドアがある場所とドアの形、ドアノブを見つけることはできたかなと思っていますが、もしかすると、このドアには鍵がかかっていて開かないかもしれません。
今の目標は、国際共同制作として映画を完成させ、それを世界の人たちに観ていただくことです。そして、作品に対するリアクションが出てきた時が、ようやく私のサードドアが開く時なのかなと思っています。
(構成:泉美 木蘭)
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