のほほんと上がっている日本株の先行きが心配だ アメリカの景気や企業収益は想定通りに悪化中
アメリカの景気や企業収益が、筆者の予想どおり、着実に悪化している。
同国の企業収益については、5月5日までに1~3月期の決算発表がほぼ一巡した。同期におけるS&P500種指数採用企業の1株当たり利益は、IT大手企業の想定以上の奮闘によって、前年同期比2.0%の減益で着地するもようだ。これは、昨年10~12月期の同3.7%減益からは傷が浅くなりそうだ。
4~6月期の米企業収益予想は下方修正、消費も変調気味
ただし、7日時点でのアナリスト予想の集計値(ファクトセット調べ)では、続く4~6月期は同4.4%減と減益率が拡大しそうだ。しかも、同期の予想値は足元で下方修正が続いている。
もし予想どおりとなれば、同国の企業収益は3四半期連続の減益となる。直近ではコロナ禍(2020年1~3月期、4~6月期、7~9月期)以来のことで、企業収益の不振を示すものとなりそうだ。
同国の経済全体の規模をGDP(国内総生産)で測ると、その7割弱は個人消費だ。その動向がわかる小売売上高は3月(4月14日発表)が前月比で1.0%減少し、2月の同0.2%減に続いて2カ月連続の前月比マイナスと、明らかに変調気味だ。
消費を支えるのは雇用だが、先週発表されたいくつかの指標を見ても明らかに減速している。2日発表の雇用動態調査における求人件数は、2月の997.4万件から3月は959.0万件に減少し、市場の事前予想の977.5万件を大きく下回った。まだ求人数の水準自体は高いものの、企業が採用意欲を減退させていることがうかがえる。
また、4日に公表された新規失業保険申請件数(週次統計)も、直近(4月最終週)は24.2万件と、その前週の22.9万件から増加し、市場の事前予想の24.0万件をわずかながら上回っており、ごく最近の失業者の増加がうかがえる。
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