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日本化成は小名浜工場が順次、生産再開へ。カーボンブラックは復旧メド立たず【震災関連速報】

大震災で操業を停止していた日本化成の主力工場、小名浜工場(福島県いわき市)は4月第2週から順次、主力製品の生産を再開する。ただ、カーボンブラックなど一部製品についてはなお再開のメドが立っていない。

小名浜工場は海に近く、津波の被害が懸念されたが、「冠水はしたが、建屋はほぼ無事。設備も流されなかった。立地の割に被害は軽く済んだといえるかもしれない」(同社)。

3月末には電力、蒸気、用水の供給が復旧し、4月4日現在、紫外線硬化樹脂、ロストワックス、アクリクリートはすでに生産を再開。能力増強を計画していた太陽電池向けタイク(ゴム・樹脂の架橋剤)も順次、生産を再開する。このほか、電子向け工業薬品、尿素メラニン樹脂接着剤、ホルマリンは4月中旬、自動車排ガス向けの高品位尿素水は4月下旬の生産再開を予定している。ただ、「生産再開後、操業水準がどこまで戻るかは不明」という。

一方、硝酸、液体アンモニアは、とりあえず4月下旬から手持ち在庫の出荷を開始するが、生産再開については「目下、検討中」。カーボンブラックは復旧のメドが立っていない。

除却損、復旧費など特損の計上が見込まれるが、会社側は「前2011年3月期、今12年3月期の業績への影響は未定」としている。

梅沢 正邦 経済ジャーナリスト

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うめざわ まさくに / Masakuni Umezawa

1949年生まれ。1971年東京大学経済学部卒業。東洋経済新報社に入社し、編集局記者として流通業、プラント・造船・航空機、通信・エレクトロニクス、商社などを担当。『金融ビジネス』編集長、『週刊東洋経済』副編集長を経て、2001年論説委員長。2009年退社し現在に至る。著書に『カリスマたちは上機嫌――日本を変える13人の起業家』(東洋経済新報社、2001年)、『失敗するから人生だ。』(東洋経済新報社、2013年)。

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