関西地盤のGMS、イズミヤは被災影響軽微で夏の電力不足対策を検討開始【震災関連速報】

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関西地盤のGMS、イズミヤは被災影響軽微で夏の電力不足対策を検討開始【震災関連速報】

関西地盤の準大手GMS(総合スーパー)のイズミヤは、東日本大震災当日は関東エリアの5店舗が一時閉店を余儀なくされたが、翌々日(3月13日)までに全店で営業を再開している。今後、消費者の大規模な買い控えなどの悪影響がない前提で今2012年2月期は売り上げ横ばい、営業増益を見込む一方で、東京電力エリアでの夏場の電力不足に際して、どんな対策が必要になるか、本格的な検討を開始した。

足元の計画停電では、該当エリアのGMSは、停電が朝か夜に偏る場合は営業時間をシフトし、昼間に停電する場合は一時閉店、前後での商品の売り切りや、冷蔵庫・冷凍庫の開閉を抑制するなどで対応する例が多いが、夏場は現在と外気温が異なるため「数時間も停電すると、アイスが溶け出すなどして売り物にならなくなる」(坂田俊博社長)として生鮮や冷蔵・冷蔵品の廃棄ロスが膨大になりかねないと懸念している。

東京電力は企業など大口需要家に対して、夏場のピーク時の瞬間最大電力を25~30%制限する方針だが、イズミヤではこれを上回る「35%削減」を叩き台として、店舗や加工・物流センターでどう対処できる検討を始めた。「(5~6階以上などの)多層階に売り場を持つ店舗もあり、上りエスカレーターは止めることが難しいが、下りやエレベーターは止めるとか、いろいろ検討中」(坂田社長)。

イズミヤが加盟するGMSの業界団体、日本チェーンストア協会でも対応策の検討やとりまとめに乗り出している。「各チェーンが輪番で定休日に入ることもありうる」(イズミヤの四條晴也常務)として、チェーンを超えた対応策を練る模様。「定休日や営業時間変更により、従業員の勤務シフトも変えざるをえなくなるかもしれない」(四條専務)。

消費者の極端な買い控えも懸念される一方、ヨーグルトや納豆、食パンといった発酵品は食品メーカーの工場被災で供給が追いついておらず、生鮮品も卵や鶏肉など、品薄品の価格が上昇しつつある。「特売ができない、または、しない、といった対応は必要だが、むしろ加工品や総菜など調理に手間(=電気代)のかからない定番品が売れる可能性がある」(四條専務)。階段の上り下りなど、多少の不便を消費者が我慢すれば、街全体の停電も避けられるかも知れない。

山川 清弘 東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長

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やまかわ きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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