飲みながら食べると「酒がまずい」と思う人の誤解 お酒は「チビリチビリ」と飲むのがオススメ

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お酒をガブ飲み、肴は要らぬ、酌をする人などいないほうがいい──こういう飲み方では、アルコールが肝臓の細胞を直撃、タンパク質、ビタミン、ミネラルの不足によって肝臓に障害をもたらすようになります。

ここではまず、タンパク質を中心に考えてみましょう。

体の中で一大化学工場とも言われている肝臓をスムーズに動かすためには、“工場で製品を作り出すための原料”をたっぷりと送り込んでやることが大切です。その原料がアミノ酸をたくさん含んだタンパク質というわけです。

アルコールの高カロリーだけを肝臓に与え続けると、肝臓で分解しきれない余分なアルコールが脂肪に変化し、肝臓にたまります。脂肪肝などの引き金になってしまうのです。

高タンパクおつまみ5選

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アルコールは、肝臓の中で、アセトアルデヒド、酢酸、そして最後には炭酸ガスと水に分解されますが、アミノ酸やタンパク質には、アルコール分解を促進する働きがあります。

こうしたことから、タンパク質を多く含んだ食べ物を肴にしながら飲むと、肝臓でアルコールがどんどん分解されて体外に出されるわけですから、体によい結果をもたらします。

飲んべえは、まったく飲まない人よりも、さらに多くのタンパク質を体が必要としていることを忘れてはいけません。

タンパク質を多く含む肴をいくつかあげてみましょう。

〈牛刺し〉──たっぷりとタンパク質を含有。舌ざわりもよく、肴として打ってつけです。

〈すき焼き〉──多くの飲み仲間が集まったら、これに限ります。

〈湯豆腐、冷奴〉──植物性タンパク質として優秀。価格がさほど高くないのも魅力的です。

〈レバー〉──レバーにはビタミンB12が多く含まれています。赤血球の成長を助け、あらゆる病気を防ぐ抗毒素の製造に必要な葉酸も含んでいます。なお、葉酸に富んだ食べ物としては、ナッツ、麦芽、緑の葉の多い野菜。なお、レバーの効用については、次の章でたっぷりと解説します。

〈やきとり〉──安上がりなタンパク源の筆頭。鶏ではなく、豚でもOKです。鶏のナンコツは、ミネラルの補給にも役立ちます。

このように高タンパクの食べ物をおつまみとしてお酒を飲むことが、肝臓を守ることにつながります。肝臓が悪くなったら、大好きなお酒をつつしまなければならないことになる。このことを肝に銘じておくのが酒好きの常識だと知っておきましょう。

志賀 貢 医学博士、臨床医

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しが みつぐ / Mitsugu Shiga

1935年、北海道生まれ。医学博士。昭和大学医学部、同大学院博士課程修了後、臨床医として約50年にわたって診療を行う傍ら、文筆活動においても『医者のないしょ話』(角川文庫)をはじめとする小説やエッセイなど著書多数。また、美空ひばり「美幌峠」「恋港」などの作詞も手掛け、北海道の屈斜路湖畔を望む美幌峠には歌碑が建立されている。

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