米中堅銀行の「信用危機」まったく収束していない ファースト・リパブリック銀の預金流出続く
不安を感じさせる決算報告を行い、アナリスト向けの決算説明会で経営陣が質問を受け付けなかったことから、ファースト・リパブリック・バンクの株価は4月25日、50%下落した。株価の急落を受けて、ニューヨーク証券取引所では取引の一時停止措置が発動された。
ファースト・リパブリックは24日、通常の株式取引時間終了後に第1四半期決算を発表したが、それはシリコンバレー・バンクとシグネチャー・バンクが破綻した3月中旬以降、同銀行の今後がいかに危険なものになっているかを示す内容だった。
預金流出が止まらない
ファースト・リパブリックによると、第1四半期に引き出された預金は1020億ドルに上った。昨年末の預金残高1760億ドルの半分を大幅に超える額が流出したことになる。
預金流出が続いていたファースト・リパブリックは3月、信用不安の急場をしのぐ命綱として、国内最大手クラスの銀行から300億ドルの預金を緊急的に受け取った。ただ、ファースト・リパブリックに預金したこれらの銀行団は、7月にも預金を引き出せるようになる。
さらにファースト・リパブリックは第1四半期中に920億ドルの借り入れも行った。そのほとんどは中央銀行と政府の支援を受けた融資グループからの借り入れであり、預金を借金で置き換えたのが実態だ。