米中堅銀行の「信用危機」まったく収束していない ファースト・リパブリック銀の預金流出続く
コロンビア大学ロースクールの教授で金融規制を専門とするキャスリン・ジャッジは、ファースト・リパブリックの状況に簡単な解決策はないと説明する。「魅力的な選択肢があれば、すでにそれを進めていたはずだ」とジャッジ。
2008年の金融危機後に行われた改革で権限が変更されたため、連邦準備制度理事会(FRB)は当時とは違って、買収をやりやすくするために銀行の財務リスクを引き受けることはできなくなっている。
保険対象外の預金は保護されるのか
連邦預金保険公社(FDIC)が何らかの形で支援することはできるだろうが、そうしたケースではファースト・リパブリックの破綻と「システミックリスク上の例外措置」の発動が伴う可能性が極めて高く、複数の政府機関にわたって責任者の承認が必要になるとジャッジは話した。
実際にファースト・リパブリックが破綻すれば、政府は保険対象外の預金を保護するかどうかという難しい決断を迫られる可能性がある。
つまり、ジャッジによれば「簡単な答えは存在しない」ということだ。
FRBとFDICはコメントの求めに応じなかった。
ファースト・リパブリックほどではないが、25日にはほかの銀行の株価も下落した。業界の指標となるKBW銀行株指数はこの日、約3.5%下落して取引を終えた。
(執筆:Maureen Farrell記者、Jeanna Smialek記者)
(C)2023 The New York Times
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