「国策半導体」ラピダス、2ナノ量産までの道筋 社長の発言から見えてきた2027年への布石
「今のところ計画どおりに進んでいる」。4月19日に開かれたメディア向け説明会でラピダスの小池淳義社長の口から、2ナノ半導体量産化までの「ロードマップ」の概要が語られた。ラピダスはどのような道筋を描いているのか。
焦点は千歳工場への技術移転
量産化のための第一歩は、アメリカの大手IT企業・IBMから2ナノの製造ノウハウを習得することになる。IBMとの提携は2022年12月に発表。ニューヨーク州にあるIBMの半導体研究開発拠点「アルバニー・ナノテク・コンプレックス」へ、エンジニアの派遣がすでに始まっているという。
IBMは量産技術こそ持たないものの、2021年5月に世界で初めて2ナノ半導体の開発技術を発表した。そもそもIBMから日本側に先端半導体の製造を持ちかけたことがラピダスの設立につながったという経緯がある。
カギを握るのは、ラピダス千歳工場への技術移転だ。同工場の試作生産ラインの竣工は2025年半ばを予定している。試作ライン竣工から、およそ2年をかけて技術移転を進め、2027年の初頭には量産を開始する見込みだ。
千歳工場の1棟目での量産が軌道に乗れば、2棟目以降の建設も視野にあるという。「われわれはつねに最先端を追うビジネスモデル。2棟目はさらに『次の世代』の工場として考えている」(小池社長)。
2ナノという最先端技術の実現可能性を疑問視する向きは多い。だが、「そこをジャンプするからこそ後追いにならず、キャッチアップできるというメリットもある」と強気だ。
3ナノ世代までの先端品と2ナノ世代以降では技術的な特徴が異なるため、新しいスタートラインから開発競争を始められるという理屈だ。
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