日本より便利?アジア各国「空港鉄道」最新事情 市内の駅で飛行機の搭乗手続きができる都市も
JR東日本は4月4日、羽田空港に乗り入れる「羽田空港アクセス線(仮)」の本格的な工事に6月から着手すると発表した。今回着手するのは東京駅や宇都宮線・高崎線・常磐線方面とを結ぶ「東山手ルート」で、東京駅から羽田空港までの所要時間は約18分になるという。同線の整備により、日本を代表する空の玄関口の1つ、羽田空港への鉄道アクセスがより充実することが期待される。
一方、アジア各国の主要空港も2000年代以降、アクセス鉄道が急速に発展し、利便性は日本をしのぐケースも多い。かつて香港に在住し、コロナ禍後も行動制限が解かれた直後からアジア各国を訪れている筆者の経験をもとに分析してみたい。
「独立路線」が多いアジアの空港鉄道
アジア各国の首都・主要都市にある空港アクセス鉄道を俯瞰すると、大半が2000年代以降の開業だ。ソウル・北京・香港・台北・バンコク・クアラルンプール・シンガポール・ジャカルタの8都市を見ると、メインの国際空港と都心部を結ぶ鉄道は香港が1998年開業で、そのほかは2000年代に開通している。香港やクアラルンプールなど、市街地から離れた新空港の整備に合わせて建設された例も目立つ。
【2023年4月26日20時05分追記】初出時、ジャカルタ・Raiinkの最速所要時間に誤りがあったため修正しました。
日本と異なる点として特徴的なのは、空港アクセス鉄道が地下鉄の支線としてネットワークに組み込まれているシンガポールを除けば独立した路線がほとんどで、都市部から空港へ向かう場合、ほかの路線や列車と違う専用の駅や乗り場があるということだ。
これは、既存の鉄道とシステムが異なるためというケースが多い。例えばクアラルンプール国際空港と市内を結ぶ「KLIAエクスプレス」は、狭軌のマレーシア国鉄在来線と異なり標準軌のため完全に独立した路線となっている。バンコクも同様だ。
鉄道網が発達したソウルや香港、北京なども、空港鉄道の乗り場は他線と別に設けている(他線からの乗り継ぎは可能)。
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