ホンダと鈴廣かまぼこ「エネマネ」連携の意外性 「車×エネマネ」が儲かるビジネスに転じる時

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第1に、世界的な環境関連産業への投資拡大だ。欧州のCO2排出量規制、アメリカのインフレ抑制法(IRA)、そして中国の新エネルギー車(NEV)、エネルギー産業と連携された各種政策など、グローバルで環境関連産業に対する投資マネーの争奪戦を繰り広げている。

日本では「(2022年5月時点で)今後10年間に、国がGX経済移行債(仮称)で20兆円規模の先行投資を行い、官民全体で今後10年間に150兆円超のGX投資を実現する」とし、「GX」を推進するとしている。エネルギー安全保障をにらみながら、産業競争力強化を図ることが狙いだ。

HSHSで取材対応いただいたホンダのスタッフ(筆者撮影)

これに関連して自動車産業界では、水素を燃料電池車のみならず、気体水素または液体水素を活用する内燃機関の研究開発や、「BEVを活用したエネルギーマネージメント」を再認識しようとする動きが広まってきている。

「卒FIT」ユーザーの受け皿にも

第2は「卒FIT」後の道筋だ。FITは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度:フィード・イン・タリフ)」のこと。太陽光発電などを使い、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が固定価格で一定期間、買い取る制度だ。

10kW未満の太陽光パネルを使う一般家庭では契約期間が10年なので、2009年から始まったFITを卒業する(卒FITする)家庭が増えてきている。その規模は、毎年20万世帯程度になると考えられている。

FITによる買い取り価格は、2009年の48円から段階的に下落し、2022年には17円になった。卒FITユーザーの以後の選択には「現状維持」「電力会社の切り換え」、蓄電池を購入しての「家産家消」をするという3つ方法があるといわれている。家産家消では、効率的かつ計画的なエネルギーマネージメントシステムが必要となる。

交換可能なバッテリー「Mobile Power Pack」を使う電動2輪車(筆者撮影)

そして第3は、有事への対応を踏まえた地域社会における防災意識の高まりだ。

そもそも、BEV(または、燃料電池車やプラグインハイブリッド車)を蓄電池に見立てて、そこから外部に電気を取り出す“給電”の仕組みが商品化されたのは、東日本大震災のあとだった。震災後、国が主導し、自動車産業界と連携して実現したという経緯がある。

近年では、台風被害で長期停電となった地域での緊急電源として、自動車メーカー各社がボランティアで各種電動車を被災地に提供したり、地方自治体と緊急時対応のための連携協定を結んだりする動きが進んでいる。

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