ホンダと鈴廣かまぼこ「エネマネ」連携の意外性 「車×エネマネ」が儲かるビジネスに転じる時

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その第1期(2012~2014年)、続く第2期(2015~2017年)、第3期(2018~2021年)とBEVは「フィットEV」を活用したが、現在の第4期(2022年~)ではBEVを「Honda e」に換えるなど、新たなる取り組みが始まっているところだ。

第1期~第3期までの実績については、ホンダが自社で定めた3つの評価指標(年間電気代、年間CO2削減量、家エネルギー率)でそれぞれの実証期を比較している。

家エネルギー(RE率)とは、家全体の電力需要に対する、BEVなどを含めた家のエネルギーマネージメントが負担する電力量の比率を指す。

こうした実証の実績から、太陽光発電用パネルの搭載容量と蓄電池容量の対比を検証したところ、日本の一般家庭向けで普及数が多い搭載容量4.5kWの場合、蓄電池の電池容量は5kWh程度が、家全体としてコストパフォーマンスに優れているという結果となった。

つまり、定置型の蓄電池を購入する以外に、BEVを「移動すること」と「蓄電池」の双方でうまくマネージメントすれば、“蓄電池としてのBEV”の存在価値が明確になるといえるわけだ。

そうなると、価格が安い中古BEVで、ある程度電池が劣化していたとしても、その存在を蓄電池だと捉えれば、家全体として電気需要のコストパフォーマンスが高くなるケースも出てくるだろう。

2012年に自治体や企業に向けてリース販売されたフィットEV(写真:本田技研工業)

当初は、BEVの量産効果によってリチウムイオン電池のコストが下がるとみられてきたが、リチウムイオン電池の原材料の価格が高止まりするなどで、コストがなかなか下がっていないからだ。

現在進行中の第4期では、電池容量が35kWhのHonda eとモバイルパワーパック(MPP)を使うエネルギーストレージシステム(ESS)5kWhを導入した。

MPPは、大きな乾電池のような考え方で、2輪BEVでは日系メーカーや海外メーカーと規格共通化を視野に入れたコンソーシアムを組んでいるほか、小型建設機械や小型除雪機などで他業種との連携も進んでおり、「自家発電」した電気をより有効に使うことが可能になる。

そのため、第4期ではBEVが不在のときに家全体の電気需給がどう変化するかや、近年登場している市場連動型の電気料金プランでの効果なども検証する。

HSHSはさいたま市からの借地であるため、「今のところ、今期でHSHSは終了」(ホンダ関係者)というが、今後の状況次第で第4期が延長される可能性もあるようだ。

注目される3つの理由

では、ここで改めて「今、世の中でBEVを活用したエネルギーマネージメントが注目される理由」について紹介しておこう。ここには大きく3つの観点があると、筆者はみている。

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