話をまとめるのが苦手な人が知ると便利な超裏技 「1on1面談」をする際に気を付けるポイントも

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メンタリングスキルは、相手と深く信頼を築くための「信頼関係構築」、いきなり何かを押し付けるのではなく相手の話に耳を傾け、相手が話しているその奥にある価値観や願いを掘り下げる「傾聴」、「深堀」、そのうえで、人生の先輩として助言したり経験談を共有する「アドバイス」、最後に、話を締めて行動や変化につなげていく「クロージング」で構成されています。

今回は、苦手な人が多い「クロージング」のテクニックを、具体的なケーススタディで、ポイントを絞ってご紹介しましょう。

●「この人と話せてよかった」と思える1on1

上司A さん(メンター)は、部下Bさん(メンティ)と1on1の機会をつくり、仕事の進め方や人との接し方など経験を交えながらアドバイスしました。緊張しながらも話を進め、ようやくクロージングという段になりました。

クロージングのテクニックでは、① 相手の話の始まり、途中、終盤のトピックを端的にまとめる ②そのうえで「話してみてどうでしたか?」と話を戻す……といった流れで進めていきます。

頭が真っ白になってしまったAさん

しかしAさんは、それまでの話の流れをなかなか思い出せず、頭が真っ白になってしまいました。

そこで、クロージングの理想的なテクニック(詳しくは後述)ではないですが、なんとかBさんに「この人と話せてよかった」と思ってもらいたいと考えています。

【クロージングに苦手意識がある上司Aさんの例】
◆=メンターAさん ◇=メンティBさん

◆「まだ話したいことはたくさんあるんだけれど、終了10分前になったので、そろそろまとめに入りますね。今日は、話してみていかがでしたか? どんなことに気づきましたか?」 ⇦本来はこちらから話を整理したうえで感想を聞くべき。しかし、うまく整理しきれないので、裏技として、まずは先に感想を聞いてしまう

◇「〇〇でした。△△だと思っていましたが、××も実は大事なんだとわかりました」 ⇦相手が話している間に、あなた自身も話の詳細を思い出し、頭の中で話をまとめる

◆「そうですね。××という気づきがありましたね。そして、あなたの目標に向かってまっしぐらに走って行く行動力は素晴らしいです。一方で、自分の力だけではなく、もっと周りを巻き込んでもいいかもしれません」 ⇦助言も交えて相手をほめたり労ったりする

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