開業医が抱く危機「コロナ5類で診る医師は減る」 現場からの声「院内感染対策は弱められない」

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8日から2類相当から5類に変わった新型コロナウイルス。診療現場はどう変わるのか。現場をよく知る開業医を取材しました(写真:CHAI/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月8日、「新型インフルエンザ等感染症」(2類相当)から季節性インフルエンザや風疹が該当する「5類」に移行する。しかし、ウイルスの感染力がなくなるわけではないため、感染対策は引き続き必要だ。どんな対策を取ればいいだろうか。

4月27日に正式に決まった内容によると、▽発熱外来など一部の医療機関に限られてきた診療が一般の医療機関に広がる▽自治体や保健所による入院措置・勧告がなくなる▽治療は一部負担が生じる(一定の公費支援についてはしばらく継続)▽予防接種の費用は引き続き自己負担なし▽感染者の外出自粛要請がなくなる──だ(下の表)。

メリットは閉塞感の減少・消失

新型コロナが広がり始めた2020年1月末に発熱外来を設け、発熱患者やコロナ患者を診てきた太融寺町谷口医院(大阪市北区)の谷口恭院長は、5類移行後の患者側のメリットについて、「閉塞感の減少や消失が期待できる」と話す。

「コロナの捉え方は第1波の頃からさまざまで、『大して脅威を感じない』という人がいた一方、恐怖のあまり心理状態が悪化してしまう人もいました」(谷口医師)

流行の主流が病原性の低いオミクロン株に置き換わり、ワクチン接種で免疫を持つ人も増えたことで、「コロナが軽症化し、もはや季節性インフルエンザと同等の、そんなに怖がらなくてもいい5類になったと国が認めたことは大きい」と指摘する。

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