ワコールは震災に伴う電力不足で百貨店等の営業時間短縮が痛手。休業していたネット通販子会社は再開【震災関連速報】
婦人下着最大手のワコールは、東日本大震災の影響により卸先の小売店で営業時間の短縮が相次いでいる。震災で直接的影響を受けた東北地方の売り上げ構成比は、主力ブランドの「ワコール」や「ウィング」で5%程度と業績に与える影響は軽微だ。だが主力販路の百貨店や量販店が節電のために営業時間を短縮している影響で、関東地区の店舗での減収が深刻という。
通常の閉店時間が20時の百貨店は、震災後、電力時間がピークとなる18時以降の営業を見合わせ、18時閉店とする動きが相次いだ。現在は照明の消灯などで節電を続けながら、徐々に営業時間の正常化へ向かっているが、三越や伊勢丹では19時閉店とするなど営業時間短縮の流れは続いている。平日は、夕方から閉店時間までが売り上げの中心となる首都圏の店舗では、販売機会の逸失につながっている。
同社が主力とするブラジャーや肌着は3~4月の売り上げ規模は通期ではさほど大きくはない。ただこのまま営業時間の短縮が続けば、夏物の本格展開が始まる5月以降の減収へつながり、業績への影響が深刻化する懸念がある。夏用のブラジャー「スースーブラ」や、汗染みが出来にくい「スゴ衣」など、夏物商材は充実しているが、今後懸念される夏場の電力不足で、卸先の営業時間の方向性は不透明で、予断を許さない状況が続きそうだ。
なお、宮城県仙台市に流通施設をもつ通販子会社のピーチ・ジョンは、震災の影響で施設の一部が破損し、主販路のインターネット通販業務の受注を停止していたが、4月4日に同施設の修繕が完了し、通常稼働を開始した。
(鈴木良英 =東洋経済オンライン)
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