仕事が速い人はパソコンより「紙」を使う理由 脳に記憶が定着する3つの「ノート・メモ術」

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以前紹介した記事(「要領のよさを決める『効果的な脳の使い方』とは」)で、「脳には、その情報処理の仕方に【同時系】【継次系】という大きく2つの種類がある」ことを解説しました。

③2つの「脳の型」に適した書き方、覚え方

この2つの脳の「型」にも、それぞれに適したノート・メモ術があります。

たとえば、視覚化が得意な「同時系」は、見た目に差をつけて記憶に残すことが有効です。

・「ペン色」を使い分ける

・「文字の大きさ」と「距離」に意味をつける

などのほかに、

・思いつくままに、ただ書き出す

ことも有効です。

同時系の人は「連想」が得意なので、ただ書き出しているだけなのに、書いた言葉から連想がなされ、自然に思考の道筋がノートに反映されます。

たとえば、今年やりたいことを書き出してみたとします。「美術館に30回行く」「映画を50本観る」「本棚をつくる」「ガーデニングをする」「おしゃれな皿を買う」などと書いた後に全体を眺めてみると、「センスを磨く」「心地よい空間」といった、自分がやりたいことに共通するテーマに気づくことができます。

一方で、順序立てが得意な「継次系」の人は、情報に時系列や因果関係をつけて記憶に残しましょう。

・書く順番を決めて思考を整理する

『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

・端にあらかじめナンバーを振っておく

などのほかに、

・最初のページにゴールを書くと迷わない

もぜひ覚えてください。

継次系の人は、目の前のことを正確に行うのを重視しがちなので、それが行きすぎると、そもそもの目的を見失ってしまうことがあります。

「なぜ、それを学習しているのか」「なにに使うからメモをとっているのか」というゴールを最初のページや単元の最初に書いておくことで、ゴールに向かって情報を整理していくことができます。

いかがでしょうか。

あなたに合った「要領がいい人になる」ノート・メモ術はありましたか?

要領のよさは人の数だけ存在します。

あなたの感覚でピンときたものを選び、仕事や学習の場で試してみてください!

菅原 洋平 作業療法士

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すがわら ようへい / Sugawara Yohei

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、ユークロニア株式会社を設立。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で行なう

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