東日本大震災の想像を絶する避難所生活、劣悪な環境で感染症蔓延も

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 なぜ、石巻市では、かくも悲惨な状態が続いているのか。原因には、都市基盤がことごとく破壊されたことに加えて、外部からの支援が不十分なことがある。

震災による被害で市役所の機能がマヒ。152に上る避難所への支援も行き届かない。炊き出し用にボランティアの準備した食材が、市の職員の手違いでほかの避難所に運ばれる、という混乱も起きていた。

石巻市では、市街地の大半が津波の被害を受けてがれきの山になっている地域や、水が引かずに泥だらけの地域が少なくない(下写真)。また、下水処理場やゴミ焼却施設も津波で壊滅的な被害を被った。

 

 

残った病院に患者殺到 “通院難民”まで発生

市では家庭ゴミの収集を再開したものの、焼却できず、最終処分までの仮置きをしている状態。津波の被害を受けた家財道具などの災害ゴミも膨大な量に上っており、指定収集日に集めることが困難になっている。こうした悲惨な実態について、政府は十分に把握しておらず、「自治体任せ」というほかない。

被災者の惨状は、石巻市に限らない。被災地では電気に続き、水道の復旧が少しずつ進む。それでも被災者の生活は依然として困難を極める。避難所から自宅に戻る人も増えているが、多くの人は、津波で床上浸水した家屋の2階で電気も水道もない生活を強いられているのが実態だ。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事