それでもヒラリーが大統領になれない理由 圧倒的優位にみえるが、そうではない

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2008年の選挙では、クリントンには大物のライバルが2人いた。1人は2004年大統領選で民主党の副大統領候補だったジョン・エドワーズ。もう1人は議会民主党の幹部の多くから出馬を推され、当初から選挙資金集めでもクリントンと並んだオバマだった。

ジョー・バイデン副大統領は今のところ出馬の可能性を否定していない。だが副大統領という地位にありながら、最近の世論調査では予備選に出ても平均して12%程度の得票しか望めないとの結果が出ている。これは8年前のオバマの支持率(25%)の半分にも満たない。

ヒラリーにも弱点はある

バイデンの弱さは裏返せばクリントンの強さの証明であり、バイデンが出馬しても勝算がないことも意味する。バイデンは過去に2回、予備選に出ているが、得票率は1%に満たなかった。

民主党の予備選への出馬の可能性が高いとされているのは、マーティン・オマリー前メリーランド州知事やジム・ウェッブ前上院議員、バーニー・サンダース上院議員、リンカーン・チェイフィー前ロードアイランド州知事(元共和党)といった顔ぶれだが、いずれも指名争いに必要な資金力や組織力、知名度には欠ける。世論調査での支持率も低い。

クリントンに弱点がないわけではない。遊説先で有権者と触れ合うのを得意とするタイプの政治家ではないし、国民のなかにはクリントン夫妻(および夫妻への批判)にはもう飽き飽きしたという声もある。

クリントンが国務長官在任中に私用メールアドレスを使っていたというニュースでこうした懸念は強まった。これらの問題が、最終的にクリントンの足を引っ張る可能性も否定はできない。

だが民主党は、クリントンと対立している人々も含め、一枚岩となってクリントンをかばった。また、すぐにクリントンの支持率が回復したところからみて、電子メール問題は予備選を戦う上での大きな問題にはなっていない。

一部のリベラル勢力からは、クリントンとウォール街との太いパイプに異議を唱える声も聞かれる。民主党が所得格差の拡大を問題視していることから、これが攻撃材料として使われる可能性もある。

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