95歳でこの肉体!元気すぎるシニアの実態 アクティブシニアがスポーツ市場を変える
ラリー・ジョンソンは退職後も忙しい毎日を送っている。室内で90分の自転車教室と、上半身のトレーニングを、1日交替で週3日ずつ。土曜日は休息日だ。冬はニューメキシコ州アルバカーキの自宅から少なくとも週1回は山に行き、スキーを楽しむ。
競技会に備えて勘が鈍らないように、土曜日も時々、地元のトレイルで60キロメートル近くペダルをこぐ。4月5日で95歳になるジョンソンは、今年の夏にミネアポリスで全米シニア大会の自転車競技に出場。5・10・20・40キロメートルの4種目制覇を目指している。目標は実現できそうだ。
「95歳以上の部」の出場者はおそらくジョンソンだけだからだ。
「飛び入り参加がいないかぎり、競争する必要はない」と、ジョンソンは言う。10年前にスキーパトロールの仕事を引退するまでは、原子力業界で働いていた。「完走すればいいだけだ。問題ないさ」。
数十年前は、競技としてスポーツをする年長者はかなり少なかっただろう。しかし今や、ほぼすべての競技に中高齢以上の年齢別部門がある。「40歳以上」をひとくくりにしていたのは昔の話。60歳以上、70歳以上と上限はあがり、ジョンソンのように95歳以上の部門もある。
78歳の現役カウボーイ
年齢別部門の出場者は、退職後にスポーツに目覚めた人ばかりではない。カナダのアルバータ州に住むジャック・ヒキンは、35歳のときに年下の乗馬仲間からロデオ大会に誘われた。
「年上の意地があった」と、元教師のヒキンは言う。「若いやつらが縄を投げて子牛を捕えられるなら、自分も練習すれば負けないと思った」
ヒキンは現在78歳。今もシニア大会の68歳以上の部門で投げ縄競技に参加している。縄が子牛にかかったら、激しく動く馬から飛び降りて子牛を縛り上げる。30分で青あざだらけだ。